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【血の轍】感想

投稿日:

どうも、ズル猫です。
今回の評価&感想を書かせてもらう作品は『血の轍』です。

血の轍とは?

息子に依存する母親と、母親に依存する息子が堕ちていく話です。

基礎情報

巻数:2巻 連載中
掲載雑誌:ビッグコミックスペリオール
掲載時期:2017年~
作者:押見 修造
作者の他代表作
 惡の華(全11巻)
 ハピネス(7巻)

感想

このマンガがすごい!2018

この作品は今年の『このマンガがすごい!』のオトコ編の第9位に選ばれています。
惡の華も、2011のオトコ編の第10位にランクインしています。
また、悪の華はアニメ化もされています。
2作品が選ばれるということは、評価され、多くのファンがいるという証明ですね。
まさに、注目の作家なのではないでしょうか。

ジャンルとしてはホラー

この作品の分類はホラーになるかと思いますが、化け物や幽霊が出てくるのではなく
日常に潜む狂気といったところでしょうか。

ありそうでない、というのが魅力の作品となっています。
今後、さらに人気が出た場合はアニメよりも実写化されるのではないでしょうか。
この作品は実写の方が栄える内容になっています。

文学的雰囲気

やはり、なんと言っても日常に潜んでいるという独特の雰囲気も
人気の要因の一つではないでしょうか。
なんてことはない日常に、徐々に狂気が入り込んでいきます。
この雰囲気を出せるのは、押見先生だけなのではないでしょうか。

家族の在り方を考えさせられる

家族という絆、特に親子関係と言うのはどの時代にも消えることのないテーマです。
ここ10年ほどでニートという言葉が出て来てからは
さらに親子関係というものが希薄になりつつあります。
ですが、反対に依存しすぎるという問題も出て来ています。
この作品はそういう問題に焦点を当てています。

好き嫌いが分かれる

この作品は読む読者を選びます。
ここまで魅力を書いてきましたが、
正直、ズル猫には合いませんでした。。。
ズル猫はどちらかというと、がっちりとした構成の物語を好むので
雰囲気を楽しむ漫画とは相性が悪いです。
アイアムヒーローも、そうでした。
映画化するほど人気が出た漫画でしたが、途中で脱落してしまいました。

構成という観点で見た場合の違和感

順序立てて進む漫画を好むため、読んでいて以下の点が気になってしまいました。

・なぜ、母親は料理を作らないのか?
 いつも、母親は息子に「肉まんがいいか、あんまんがいいか」を聞きます。
 息子はいつも肉まんと答えるのですが、ここが不思議でした。
 愛する息子の為なら、料理をするんじゃないんですかね?
 肉まんしか食べないなんて、体を壊すだけですし、ある意味虐待なんじゃないかと思います。

・息子に肉まんしか用意しない妻に突っ込みを入れない夫
 さすがに、これは文句なり、注意なりすると思うんですが……。
 夫の方も肉まんかあんまんしか食べさせて貰えないんですかね?

・学校の友達とも、そこそこ良好な関係
 息子の方は学校で、友達とラーメンを食べに行く約束をするのですが、
 母親の頼みで、平気でその約束を断ります。
 これって、普通に友達がいなくなると思います。

・なぜ、従兄弟は頻繁に遊びにくるのか? また、それを受け入れるのか?
 頻繁に従兄弟が遊びにくるので、友達との約束を断るのですが、
 なぜか、母親はこの従兄弟が来ることを最優先にしています。
 別にそこまで仲がいいようにも見えないのですが、
 (2巻を見る限り、逆に仲が悪いんじゃないか疑惑があります)
 関係性に対して、説明がないので不思議でしかたないです。

・そもそも、なぜ、そこまで依存関係になってしまったのか?
 息子の方は学校でも友達がいますし、好きな女の子もいます。
 特に孤立して、頼れる存在が母親しかいないというわけではなさそうです。
 母親の方も、夫婦関係が上手くいってないとか、近所付き合いが上手くいってないとかも
 なさそうなので、息子にあそこまで依存するというのも不思議です。

上記のような説明が一切ないので、どのキャラにも感情移入が出来ず、
読んでいて、置いてけぼりをくらったような感覚がしました。

また、1巻に関しても、特に何か事件があるのではないので、
正直、1巻っていらないんじゃないかと思ってしまいました。

考えるんじゃない、感じるんだ

この作品を好きな友人に聞いたところ、
この話を楽しむのは、日常が崩れていく際の狂気の部分であり、
身近に潜む恐怖を見る為のものらしいです。

上のように考えるのは無粋だと怒られました。。。
キャラに感情移入するのではなく、物語を俯瞰して見るのがコツだとのことです。

はい。正直、意味がわかりません。。。

単にズル猫とは合わないだけなのだと思います。

まとめ

あくまで、設定や構成、ストーリーラインを見ていくのではなく
純粋に雰囲気や日常が壊れていく様を見ていく作品になります。

好きな人はガッツリとハマり、合わない人は1巻の途中で読むのを止めてしまうという
好き嫌いが分かれる作品です。

評価

ストーリー:☆
キャラクター:☆
伏線:☆
雰囲気:☆☆☆
※あくまでズル猫の視点での評価です。あしからず。。

おすすめ度

おすすめ度です。

記事内で出てきた作品の感想も書いてます。
合わせて読んでいただけると嬉しいです。
アイアムヒーロー 感想

ではでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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