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爽やかながらも熱い柔道漫画 帯をギュッとね! 感想

どうも、ズル猫です。
今回の評価&感想を書かせてもらう作品は『帯をギュッとね!』です。

帯をギュッとね!とは?

柔道部すらなかった環境から、柔道で日本一を目指す話です。

基礎情報

巻数:30巻 完結
掲載雑誌:週刊少年サンデー
掲載時期:1989年~1995年
発行部数:200万部
作者:河合克敏
作者の他代表作
 モンキーターン
 とめはねっ! 鈴里高校書道部

感想

隠れた名作

河合先生の作品の中で一番有名なのは『モンキーターン』になりますが、
負けず劣らず、この作品もかなり面白いです。
アニメ化まではされていませんが、発行部数200万はかなりの人気を示しています。

さらに、巻末に掲載される、読者から募集しているイラストコンテストでは、
1回につき2000通が来るほどに増加しています。
イラストコンテストに載るのはかなりの倍率を潜り抜けなければなりません。
それだけ、読者に愛された作品ということですね。

明るい柔道

柔道漫画といえば、当時は『柔道物語』や『YAWARA』など、ややスポ根によった内容の中、
この作品は明るく爽やかなイメージになっています。

大抵、スポーツものは顧問や監督、主将が厳しく、
ガツガツ練習をして強くなっていく展開が多いですが、
この作品の場合、主人公の粉川巧たちが入った学校には柔道部がなく、
自分たちで創部しています。

もちろん、顧問の先生も柔道に関しては素人です。
そんな中、巧たちはどうやって強くなっていくかというと、
自分たちで考えて練習する、というものでした。

ただ、監督の言う通りに根性で練習を乗り越えるのではなく、
効率よく、どう強くなっていくかを自分たちで考えていきます。

なので練習もやらされている、という感じではなく
試行錯誤をしながら自分たちで強くなるために練習している、という流れになります。

当時は、こういうスポーツものもあるのか、と驚きました。

まあ、実際、同じような立場だったとしても
高校生でここまでやれるのは難しいと思います。
顧問や監督がいない場合は、大抵はダラけてしまって終わりですね。

秀逸なギャグ

なにより明るい雰囲気を作り出していたのは要所要所に入るギャグです。
シュールというよりは、一般受けするような、コミカルな感じになります。
一般ウケうるようなギャグは、一見、簡単そうに見えて、かなり難しいですよね。

それを、高いレベルで続けるのは、やっぱり凄いと思います。
ギャグが面白いと、それだけで読んでしまいます。
「モンキーターン」や「とめはね」と比べても、
この作品が一番、ギャグパートが多い印象です。

ラブコメは……

ラブコメ要素も若干ですが、入っています。
本当に、若干ですが。。

少年誌では珍しく、
主人公の巧とヒロインの保奈美は、最初から付き合っています。
恋の行方は?というような内容ではないものの、
少年誌で高校生で、付き合っているのを公言している漫画って、
なかなかないのではないでしょうか?

パッと思いつく限り、「ベイビーステップ」くらいですかね。
あとはラノベになってしまうのですが、「化物語」もそうですね。

ベイビーステップや化物語でもそうでしたが、
男女が付き合うとなれば、まあ、その……
そういう展開になっていくのは避けられません。

ですが、この帯ギュに関しては、まったく、進展がありません
というのも、巧が恐ろしいほどに柔道バカだからです。
別に女の子に興味がないわけではありません。
付き合ってるくらいですから。
しかし、それ以上に柔道に夢中なのです。

その、もっと強くなりたいという思いが、
チームを引っ張り、やがて全国への道を切り開いていくことになります。

そんな熱い主人公でありながら、スポ根に寄せていかないという
絶妙なバランスになっています。

派手かつリアル

柔道の部分ですが、スポーツものにありがちな必殺技的なものはなく、
リアル寄りの内容になっています。
ですが、試合描写は迫力があり、派手な感じになっています。

作者の河合先生は柔道の経験者であり、また、河合先生の父親が柔道5段ということもあり、
かなり柔道に関しては詳細に描かれています。

色々な技も出てきて、こんな技もあったんだ、とか
こんなルールもあったんだという発見もありますので、面白いですよ。

オリンピックの柔道を観戦する前に、帯ギュを読んでみるのもいいかもしれません。

女の子も活躍する

スポーツものといえば、男子、もしくは女子のみにフォーカスされますが、
帯ギュは、女子柔道部も結成され、女の子の方の試合もクローズアップします。

女子の柔道界では化け物級の来留間麻理の試合も面白いのですが、
なにより、やっぱり面白いのは、女の子でありながら
ギャグ担当でもある海老塚桜子の試合が、かなり面白いです。

桜子はヒロインの保奈美よりも、キャラが立っていて、
かつ可愛いです。

誰かとくっつくのかと思ってたんですが、
まあ、そういう作品ではないので、なんとなくそういうこともなくって感じですね。
ないことはないのですが。。。

もっと読みたかった

30巻まで出ていますが、物凄く短く感じます。
内容的にも、もう少し続けられるとは思ったのですが、
あれ以上、続けても逆にグダグダになってしまう可能性も高いですね。

であれば、あのタイミングで、あの終わり方で良かったのかもしれません。
晩秋を汚すくらいであれば、もう少し読みたかったくらいのときに終わるのが、一番いいですね。
スラムダンクが、そのいい例ですが、帯ギュはもっとすっきりとした形で完結します。

まとめ

スポーツものでスポ根ではなく、明るくてすっきりとしていながら、
迫力のある試合シーンで読み応えのある作品です。

スポーツを楽しむ、ありそうでなかったテーマになっているので、
現在、部活をやっている中高生にもおすすめです。
お子さんや甥っ子、姪っ子に、勧めてあげてください。

また、部活ものとしても面白いので、
帯ギュを読んで、高校の部活を疑似体験するのもいいかもしれませんね。
まだ読んだことがないのであれば、ぜひ、読んでみてください。

評価

ストーリー:☆☆☆☆
キャラクター:☆☆☆☆
伏線:☆
雰囲気:☆☆☆☆☆

おすすめ度

おすすめ度です。
☆☆☆☆☆

記事内で出てきた作品の感想も書いてます。
合わせて読んでいただけると嬉しいです。
ベイビーステップ 感想

ではでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

もち猫

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もち猫

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