どうも、ズル猫です。
今回の感想＆評価させていただく作品は『中間管理録トネガワ』です。
中間管理職の利根川が、会長と部下の板ばさみに合いながらも、切り抜けていく話です。
巻数：6巻 連載中
掲載雑誌：月刊ヤングマガジン
掲載時期：2015年～
発行部数：200万部
原作：萩原天晴
作画：橋本智広/三好智樹
中間管理録トネガワは「賭博黙示録カイジ」のスピンオフ作品になっています。
本編のカイジに出てくる利根川は、かなりの権力者で、かつ、印象的な台詞を残しています。
有名なので言えば「金は命よりも重い」ですかね。
あれは衝撃的な台詞でした。
真理でありながら、誰もが世間体を気にして言えない言葉です。
他にも色々と名言が出てきますので、
賭博黙示録カイジを読む前に、読んでみてください。
時系列的にはカイジの前の話になります。
この話を読んだ後に、もう一度カイジを読むと、
また違った面白さが見えてきます。
このマンガがすごい!2017年でオトコ編1位を受賞しています。
そして、今年、2018年にはアニメ化されるということが発表されています。
まだ６巻しか出てない状態で、しかもスピンオフの作品がアニメ化になるのはすごいことです。
しかも、もし、原作と追い付いたとしてもオリジナルの話を作りやすいというメリットもあります。
正直、カイジと同じ展開を期待して読むと、裏切られることになります。。
というのも、カイジはギャンブルものですが、
トネガワはギャンブルものではなく、職業もの……会社ものになっています。
極端な例になってしまいますが、「島耕作」に近いイメージです。
カイジで出てきた、冷徹で底が見えない、不気味な利根川ではありません。
雇われている兵藤会長のご機嫌を取りながらも、
部下である黒服たちからの信頼も得ようと、必死になっています。
そこにはまさに、中間管理職であり、中年である利根川がいるのです。
カイジではあれだけの権力を振りかざしていた利根川が
実は裏ではちゃんと部下にまで気を使える、
できる人間だとは想像もつきませんでした。
なので若い方よりも、ズル猫と同じ世代である、あなたの方が
ずっと利根川に感情移入できると思います。
この辺りの感覚は部下を持つ人間ではないと、
なかなか理解するのは難しいかもしれませんね。
とはいえ、やはりカイジのスピンオフらしい面も存在します。
それは、スケールが大きいということです。
部下の期限を取る為に松阪牛をキロ単位で買い、
焼肉の食べ放題にしたり、
施設を借り切ったりなど、やることがデカいです。
また、後に利根川自身が煮え湯を飲まされることとなる焼き土下座装置や
限定じゃんけんができるまでの話も出てきます。
あとは、チラリとアカギのネタなども出てくるのも面白いですね。
さらに、兵頭会長も出てくるのですが、
カイジでは悪魔のような存在として君臨していますが、
この作品では、頑固なおじいちゃんというような感じです。
まあ、それでも恐ろしい存在ではあるのですが。。。
とにかく、利根川が会長の我がままをどうこなしていくか、
というところも見どころになっています。
カイジでは完全に悪役だった人間が、
視点を変えるだけで、愛すべきキャラへと変貌するのは、
ちゃんと彼らも人間として描かれているからになります。
また、その巻で完結していくので、
読みやすいというのもあります。
ある意味、1巻分飛んでも、気づかないくらいなのではないでしょうか。
カイジのスピンオフ作品ということで、
利根川がカイジと同じようにギャンブルで、あの位置まで登り詰める話、
かと思ってしまうかもしれませんが、
実は、会社員のように会長に気に入られ、部下たちの信頼を勝ち得て
あの位置まで辿り着いたと言う、会社員のような出世をしてきたとわかります。
その利根川が今の地位から落ちないように、
日々、難題に立ち向かっていくと言う話です。
もし、今、カイジを読んでいて、
少々中だるみしてきたな、と思ったら、
このトネガワを読んでみるのもいいかもしれません。
ストーリー：☆☆☆
キャラクター：☆☆☆
伏線：☆☆
親しみ度：☆☆☆☆
おすすめ度です。
☆☆☆☆
ではでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。