どうも、ズル猫です。
今回の評価&感想を書かせてもらう作品は『ファイアパンチ』です。
妹を殺された主人公が、復讐を誓うが、人々を助ける話です。
今回に関しましては、ネタバレ有りとなってますので、ご注意ください。
巻数:8巻 完結
掲載雑誌:少年ジャンプ+
掲載時期:2015年~2018年
作者:藤本タツキ
この作品は「このマンガがすごい大賞2017」の第3位に入賞しています。
Webマンガから、ここまで登り詰めています。
Webマンガの先駆者といえば、ワンパンマンですが、
最近は結構、Webマンガも注目され始めているのではないでしょうか。
今回の作品では祝福者という能力ものが入れ込んであります。
この能力はハンターハンターの念のような後天的なものではなく、
生まれついての能力になっています。
どちらかというと、僕のヒーローアカデミアの個性に近い感じでしょうか。
この作品では、祝福者の能力を使っての戦いになります。
主人公であるアグニの能力は驚異的な再生能力です。
腕をぶった切られても、数秒で元に戻るというものです。
最初にドマという兵士に、祝福者の能力である消えない炎を浴びせられます。
そのことにより、妹は亡くなってしまいますが、
アグニは驚異的な再生能力で、炎に焼かれながら生きている状態となってしまいます。
タイトルのファイアパンチというのは、全身が炎に包まれている主人公の必殺技から来ています。
さらに、アグニの再生能力は半端ではなく、首だけになっても、生きることができます。
これは、戦闘で死ぬことはほぼほぼないということになります。
つまり不死身の主人公ということですね。
同じ、不死身の主人公といえば亜人や無限の住人がありますが、
彼らにはちゃんと弱点があり、一般の人間であっても勝てる要素があります。
ですが、アグニに関しては、それがないと言ってもいいです。
作中、頭を銃で撃ち続けるというのがありましたが、時間稼ぎにしかなっていません。
これは正直、ズル猫的には、バトルでやってはいけないくらいのチート具合だと思います。
主人公が不死身過ぎると、緊迫感が出ません。
もちろん、主人公なのでストーリー上、負けることはないのですが、
だとしても、あの不死身具合は、どんなにやられても復活するのが見えてしまいます。
結局、相手が疲れたり、弾切れを起こして勝つというような流れになってしまうのです。
やはり、不死身や無敵だったとしても、何かしらの弱点は用意すべきなのではないでしょうか。
氷の魔女が世界を凍らせたという設定の世界観になります。
全てが凍り付き、食べ物はもちろん、暖を取ることすらままならない状態です。
これは人々が絶望しないように、誰かがついた嘘になります。
本当は地球に氷河期が来てしまった設定です。
再び地球に氷河期が来る、というのは今までなかったのではないでしょうか。
新しいアイディアだと思います。
逆に温暖化により、地上のほとんどが水中に沈んだという
ウォーターワールドという映画はありましたね。
上記でも書きましたが、全てが凍っている世界なので、とにかく燃料がありません。
薪すらない状態です。
では、人々はどうしているかというと、
祝福者の腕や足を切り、乾かして薪にしているという描写があります。
これを見たときはかなり衝撃的なシーンだと思いました。
ですが、冷静に考えてみて、どうでしょうか。
いくらなんでも植物は滅んでないのではないんでしょうか?
どう考えても人間を切るよりも、木を切った方が簡単です。
植物までが絶滅してしまったという設定なのでしょうか?
もし、そうだった場合は、空気や大気はどうなっているんでしょうか?
植物までも死滅するほどであれば、人間も生きてないのではないでしょうか。
ただ、祝福者である主人公たちの腕を切るという衝撃的なシーンを描きたいだけだったような気がします。
祝福者は驚異的な再生能力や、様々な能力を持っていますが、なぜか、普通の人間に虐げられています。
これはXメンのミュータントみたいなイメージでしょうか。
ただ、Xメンの場合は人間の数が多く、ミュータントの数が少ないというのがありました。
また、Xメンの世界観では、化学兵器があればミュータントと戦えるというのがあり、
数的に有利というのがありました。
ですが、この話の中では対等です。
というより、圧倒的に祝福者の方が有利です。
虐げられて、黙っている理由がよくわかりませんでした。
主人公のアグニと妹のルナは人間に捕まり、薪替わりにされていました。
捕まえた側の人間はアグニたちを人間として見ていず、奴隷以下の存在と見ています。
ある時、1人の男がルナを襲います。
それを見かねて、アグニが枷を外して、その男を殺害するというシーンがありました。
……なぜ、最初からそうしなかったんですかね?
男を殺害しないまでも、この後、妹の手足を切って、枷を外して逃げます。
ですが、妹も祝福者なので、また手足が生えてくる設定です。
……なぜ、最初から逃げなかったんですかね?
不思議でなりませんでした。
氷河期ということで、食べ物が少ないという設定です。
では、食べ物をどうしているかというと
祝福者の肉を食べるということをしています。
祝福者はまた生えてくるということで、問題はないということです。
確かに、楽といえば楽です。
ですが、祝福者にも痛みがあり、さらに中には人間の肉は食べれないといって、餓死する人間も出てきます。
それなら、獣を捕まえて飼育すると思います。
実際、人間はそうしてきたのですから。
いくらなんでも、人間以外の動物が絶滅したはずはないです。
実際、シカが出てきていますので。
(シカがいるということは、植物も残ってるってことですよね。。。)
ベヘムドルグ王国という国があり、そこではかなり高度な文明が残っています。
銃などの武器はもちろん、車や飛行機なんかも乗り回しています。
このエネルギーはどうしているかというと、
祝福者から、能力を吸い取る装置があるようなのです。
これ、どうなんですかね。
それくらいの技術力があったら、発電所とか作れないんですかね。
また、ここでも祝福者が大人しく捕まっている理由も、よくわかりませんでした。
そもそも、ここまでの技術があれば、地下にシェルターとか作らないんですかね。
カイジの兵藤会長も作ってましたよね、地下シェルター。
能力を吸い取るくらいなら、シェルター作らせた方がいいのではないかと思いました。
この作品の世界では、完全な男尊女卑になっています。
その理由としては、子を作る為、男は女性を襲っても問題ないというのです。
……正直、意味がわかりませんね。
これが『終末のハーレム』のように、男の数が極端に少ないという設定ならわかります。
ですが、別に男の人数が少ないわけでもなさそうです。
なぜ、完全な男尊女卑になるのかが、不明ですね。
アグニは妹が殺され、その復讐の為に生きてます。
ですが、その復讐相手が心が病んでしまったことがわかります。
そのことで、主人公は目的を失ってしまいます。
目的を失った主人公は、とにかく、王国に捕まっている人間を逃がすという展開になります。
これは読んでいて、一体、主人公に何をさせたいのかがわかりませんでした。
復讐の話であれば、そのまま突っ走って欲しかったです。
中盤くらいで、暗躍している敵のボスのようなキャラが出てきます。
そのキャラが、地球を再生すると話すのですが、その理由が驚くべきことなのです。
なんと、スターウォーズが完結する前に、氷河期が起こってしまい、未完に終わったのだというのです。
そして、地球を再生し、もう一度、人類を現代の技術レベルまで育てて、
スターウォーズを最後まで見るということらしいです。
これはたとえ、同じ水準まで文明が育ったとしても、さすがにスターウォーズの続きは作らないですね。
というか、作れないと思います。
映像も残っていないという設定ですし。
とにかく、衝撃的なシーンを描く為に、世界観や設定を作っているように見えます。
また、話の展開も、途中からズレてくるので、結局何が言いたいかが伝わってきません。
確かに、今の時代は刺激に慣れてしまっている人が多いので、
より過激な衝撃的シーンを入れることで、作品が栄えるというのもわかります。
ですが、それはあくまで、ストーリーの自然の流れで出すべきなのではないでしょうか。
衝撃的なシーンを描く為に、ストーリーを動かしては本末転倒な気がします。
ストーリー:☆
キャラクター:☆
伏線:☆
世界観:☆☆
おすすめ度です。
☆
記事内で出てきた作品の感想も書いてます。
合わせて読んでいただけると嬉しいです。
亜人 感想
無限の住人 感想
僕のヒーローアカデミア 感想
ハンターハンター 感想
ではでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。