今回は漫画のベルセルクの感想を書いていこうと思います。
ベルセルクはアニメ化も2回され、映画にもなりました。
かなりの人気漫画ですが、休載が多く、というより掲載されることがほとんどない状態になっています。
ハンターハンターと同様に、もう完結はしないのではないかと噂になっています。
私自身も、噂通り完結いないのではないかと思います。
ベルセルクなのですが、先に結果を書いてしまうと好き嫌いが凄く分かれる漫画だと思います。
ベルセルクは青年誌に掲載されていたことから、エロとグロが強く描かれています。
そのため、エロやグロが苦手な人は受け入れられないかと思います。
よくエロやグロは最初のインパクトと人気を得るために使われることが多いです。
シーンを強く描けるので良くも悪くも目につきやすくなります。
なので、無駄にエロやグロを入れる漫画も少なくありません。
ですが、ベルセルクはあくまでダークファンタジーを強めるため、シーンの残酷性を強めるために使われています。
いわゆる読者サービスではなく、ストーリー上のシーンを強くするために使われているのです。
これはベルセルクのいいところでもあり、勿体ないところでもあるかなと思います。
上でも書きましたがエロとグロをしっかり描くことで、シーンのインパクトが強くなります。
読者の中の印象が強くなり、ハマる人はよりハマっていきます。
逆にエロとグロが苦手な人は、そのコマが目に入った瞬間に拒絶してしまいます。
つまり、そのシーンのせいで読者を逃している部分も多い作品になっています。
ただ、漫画の方向性としては正しいと思います。
コアで深いファンを増やしていくことに特化した形です。
一番まずいのは万人向けにしたために、漫画の色自体が薄くなってしまい、読者の印象に残らないということです。
それであれば、読者を選ぶ形にはなりますが、コアのファンを狙っていくというのは有効だと思います。
若干、話が逸れた感じがするので、漫画の内容に戻します。
ベルセルクはガチガチのバトル漫画です。
ただ、この作品はバトル漫画とはいえ、かなり幅広いです。
というのも、青年編では人間同士の戦争の話なので、対人間とのバトルです。
そして、青年編ではバトルだけでなく、人間ドラマが描かれています。
青年編が人気というのも頷けます。
そして、回想である青年編が終わり、現在の話では化物との戦いが中心になります。
人間ドラマの部分は、青年編に比べるとそこまで重きを置いていませんが、化物相手の戦いということで、バトルの描写がかなり強く描かれています。
言ってしまうと、派手に描かれているので、バトル自体がとても面白いです。
そして、化物相手との戦いということで、シーンとしてはグロく暗い感じが続きますが、そこを切り替えるためにギャグ要素も描かれています。
パックという妖精とイシドロという少年の存在は、暗い物語になりがちな作品に明るさをもたらせています。
このバランスは絶妙だと思います。
この2人のキャラクターがいるのといないのとでは、全然、作品の雰囲気が変わってきます。
ただ、この作品にも欠点があります。
それはストーリーの方向性を見失っている感じがすることです。
一応、倒すべき敵が提示されているのですが、その敵はあまりも強大です。
最初は絶対に人間じゃ倒せない存在でしたが、敵を弱くすることで主人公でも戦えそうな状態にはなっています。
ですが、この倒すべき敵も魅力的に描かれているために、本当に「倒すべき」敵なのか、という部分が強くなってきています。
この辺は無限の住人のラスト付近に似ています。
無限の住人は、やや強引に締めた感じですが、ベルセルクはどうするのか、全く予想が立ちません。
おそらく、作者も迷いが生じてしまい、筆が進まないのかなと邪推してしまいます。
そういえば、バガボンドも終わりが見えなくなったということで休載が続いていると、どこかの記事で見かけたことがあります。
ハンターハンターやバガボンドは完結まで読みたいという気持ちが強いですが、ベルセルクは未完でもまあいいかなと思っています。
長く休載しているということもあり、熱が冷めているというのもありますが、現在は完全に「旅もの」になっている感じがあるので、「ヒロインまわり」が着地すれば、そこでめでたしめでたしでも、いいんじゃないかという感覚です。
倒すべき敵の方も、そっちはそっちで主人公とは関係ないところでの目的があるので、敵側は敵側で話を完結させる形で、主人公との対決がなくても、まあ、いいのかな、と個人的には思っています。
まとめますと、エロとグロが平気で、ダークファンタジーが好きであればかなりのお勧め作品になります。
もし、まだ読んでないなら、是非、読んでみてください。
……ただし、完結する可能性が低い作品ですので、そこは覚悟してから読み始めてください。
それでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
