今回はアニメ化にもなっている、Dr.STONEの感想を書いていきたいと思います。
Dr.STONEは、アイシールド21の稲垣理一郎先生が原作で、作画はBoichi先生の漫画になります。
現在も、ジャンプで連載中ですね。
最初に結果を書いておきますと、私的にはお勧めの作品になります。
ただ、結構好き嫌いが分かれてしまう作品かと思います。
それではどんなところが好き嫌いが分かれてしまうか、書いていきます。
今回はネタバレになりますので、ご注意ください。
まず、Dr.STONEは人類(と鳥)が石化してしまい、一旦、文明が滅んでしまい、石化から復活した主人公たちが一から文明を作り上げていくというストーリーです。
科学の知識をコミカルに描いていくという感じになります。
シリアスなシーンもありますが、基本はギャグテイストな作品になってます。
ギャグはギャグで、締めるところはビシッと締める、まさにアイシールド21の原作者らしい話の展開になってます。
この作品の新しい切り口というのは科学の知識だけで話が進むのではなく、「科学は検証の繰り返し」ということで、主人公が四苦八苦しながらも理論に基づきながらも、検証で成功させていきます。
科学の知識で簡単に道具を作って無双、というわけではなく、理論に基づいて実験を繰り返し、便利な道具に辿り着くという展開なので、読んでいて知識欲が満たされていきます。
ただ、ストーリー展開については、私的には微妙な部分がありましたので、その辺を書かせていただきます。
ここからはがっつりネタバレします。
まず、最初に引っかかった点です。
最初、大樹の視点で始まり、石化が解けてしばらく(2巻くらいまで)はずっと大樹視点です。
なので、大樹が主人公なのかなと思って読んでいます。
ですが、いつの間にか主人公は千空の方に移っていきます。
この辺は、ちょっと気持ち悪い感じがしますね。
ガンダムSEEDディスティニーのときの、最初は「シン」が主人公だったのが、いつの間にか「キラ」なっていたくらいの気持ち悪さがありました。
……いや、すいません。
そこまでではないかもしれませんが、それでも、気になりました。
主人公が変わってしまうと、どうしても「目的」が変わってしまうので、ストーリーが迷走してしまうんですよね。
大樹の目的が「杠に告白する」というものだったので、最初から、大樹が主人公だと、この作品のテーマとして合わないんですよね。
なので、最初から千空視点で始めればよかったのに、と思いました。
次に気になったのが、敵に関してです。
単なるサバイバルだと、漫画として地味になってしまうというのはわかります。
それなら、実物のサバイバルもの見た方が面白いでしょう。
なので、漫画の展開上として「敵」を作る必要があったのだと思います。
そして、その敵となるのが高校生最強とされる、ライオンすらも倒してしまう獅子王というキャラです。
まず、この獅子王を石化から解く経緯なのですが、主人公たちがライオンに襲われます。
このままでは食い殺されてしまうので、獅子王を復活させるという流れです。
この流れは不自然ではないのですが、いきなりライオンに襲われるというのが、急な感じがしました。
どこかのコマで「猛獣がうろついているから気を付けろよ」とのセリフがあるだけで自然にできたのにと思います。
最初、獅子王は仲間として加入しますが、そのあと、考えの違いから敵側になります。
その考えの違いというのが「世界に大人はいらない」というものです。
これは正直、うーん……と思ってしまいました。
確かに、文明が復活すると利権を求めて、現代のような汚れた世界になるというのはわかります。
ただ、だからと言って「大人を復活させるな」はどうでしょうか?
いや、違わないですかね?
高校生でも腹黒いやつはいますよ?
実際に、4巻くらいでそういうキャラが出てきます。
獅子王の判断基準では完璧に「アウト側」のキャラクターです。
それなのに獅子王側の密偵として主人公側に近づいてきます。
そして、この獅子王の判断基準というのが単に「大人」ということなので、石化した大人たちを次々と無差別に破壊していきます。
子供たちだけの純粋な世界を作りたいというのはわからなくもないですが……。。
獅子王さん。あなた、あと10年もしたら大人になってしまいますが?
そうなった場合、あなたも「老害」となり、アウトになってしまうのですが……?
その場合は自ら、人生の幕を閉じるのでしょうか?
というわけで、強大な敵を作りたかったのはわかるのですが、その敵の理念が受け入れられるものではないので、微妙な感じがしました。
これは構図的には「原始VS科学」でよいと思うので、すでに復活していた人類が原始的な組織を形成していて、その圧倒的な数の暴力に立ち向かうために科学で抵抗する、で良かった気がします。
後々、主人公たち以外にも、復活している人類が出てくるので。
で、その集団の元に獅子王が同調して入ってしまう、という方が敵も強大ですし、獅子王が入ることにより千空が科学を知っているので危険なので排除した方がいいということで狙われた方が緊迫感が出るかと思います。
あと、大樹たちがスパイとして、獅子王の元へ向かうという展開があります。
いや、信じるわけないですよね?
親友を殺した相手の仲間になるといって、誰が信用しますかね?
絶対、寝首かくつもり満々だろとなりますので、捕縛してすぐに処刑ですよね。
逆に受け入れてしまったら、獅子王の頭がちょっと弱い感じになってしまいます。。
どうして、大樹たちと分かれる必要があったんですかね。。
大樹と杠は、あまり人気なかったんですかね?
だとしても、獅子王の元に行くのではなく、大樹たちは大樹たちで仲間を増やすために分かれて行動する、でよかったような気がしますが……どうなんですかね?
などと、色々気になった点を書きましたが、ストーリー自体は面白いです。
科学ネタをこのような使い方をするというのは新しいですし、読んでいてためになるので、面白いです。
ちょい悪な主人公が仲間を増やすために科学を使って、人の心を掌握していくというのは見ていてワクワクします。
千空は熱血で真っすぐではないですが、主人公としてのカリスマを持ったいいキャラだと思います。
バトルとサバイバルが好きであれば、ハマると思いますので、是非、お勧めです。
それでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました。