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【漫画】ヒカルの碁 感想

今回はアニメ化にもなり、碁のブームにもなったヒカルの碁の感想を書いていきます。

ヒカルの碁は原作はほったゆみ先生で、漫画は小畑健先生です。

最初に結果を書きますと、私的にはお勧めの作品になります。

では、どういうところが面白かったかを書いていきます。

まずは「碁」という難しいジャンルを漫画にし、それで成功させているのがかなり凄いと思います。
麻雀、将棋、チェスなども同じように漫画にするのは難しいと思いますが、碁は輪にかけて難しいのではないでしょうか。
なぜならば、「ほとんどの人がルールを知らない」ということがあげられます。
麻雀や将棋、チェスなどは詳細のルールはわからなくても、「大体はわかる」という人が多いのではないでしょうか。
ルールを知っているのと知らないものでは、漫画を読んだときに想像のしやすさが変わってきます。
つまり、「とっつきにくい」というのがあります。
なので、最初に読んでもらうまでのハードルが高くなってしまうのではないでしょうか。

たまに、スポーツものでもマイナーなものを題材に取り上げた漫画が出てくることがありますが、これは結構賭けになるかと思います。
良く知らないスポーツだと最初の読者の確保が難しい反面、逆にヒットした場合、そのスポーツ=その漫画という認識、つまり第一人者的な立ち位置になれることです。

アイシールド21などはその最たる例ではないでしょうか。
今のところはアメフト=アイシールド21というイメージが強いと思います。
次にアメフト漫画を描く場合は、必ずと言っていいほどアイシールドと比べられてしまうでしょう。
昔はバスケットボール=スラムダンクといった感じですね。
(今はかなりバスケの漫画も増えて、一概にバスケ=スラムダンクではなくなりましたが)

話が逸れたので戻します。
ヒカルの碁はこの難しい「碁」を題材にした漫画で、大ヒットしました。
今では碁の漫画といえばヒカルの碁というイメージはまだまだ強いでしょう。

では、ヒカルの碁はこの難しいジャンルにどうやって挑んだのでしょうか?
こういう場合、2つの方法があるかなと思います。
一つは「しっかりとルールを説明しながらストーリーを描いていく」というものです。
アイシールド21などは、まさにこの方式ですね。
しっかりとアメリカンフットボールのルールと共に魅力をしっかり読者に伝えながら話が展開していきます。
つまり、アイシールドを読んでいればある程度はアメフトのルールが何となくでもわかっていく形になります。
この方法はオーソドックスですが、それでも難しいかと思います。
注意するのは「一気に説明し過ぎない」ことでしょう。
必要な情報を必要なタイミングで最小限の説明にします。
そうしないと、読者は説明ばかりで面白くなく感じてしまいます。
読者がみたいのは、あくまで「ストーリー」であり「主人公がどうなるか」という部分です。
説明すればするほど、ストーリーは止まってしまい、流れが悪くなっていきます。

もう一つの方法としては「ルールをほとんど描かない」というものです。
ヒカルの碁はまさしく、この方法をとっていますね。

ヒカルの碁では、碁の漫画ではありますが「碁」についての詳細のルールなどは省いています。
上の例で言えば、碁の勝負の最中に色々と戦法や戦略、展開の先読みを描いていくことになりますが、ヒカルの碁ではその部分はほとんどありません。
すぐに勝負の結果、つまり、読者が読みたいであろう「ストーリー」と「主人公がどうなるか」という部分を見せて、ストーリーをテンポよく見せてくれます。
なので、「碁」の勝負で、内容はよくわからいが「こっちが勝った」というのがすぐにわかります。

では、なぜ、ヒカルの碁ではこのような方式を取っているのでしょうか?
おそらくそれは「地味」だからだと思います。
というのも、スポーツものであれば、実際にキャラの動きを出して、派手な演出をすることで、絵に派手さが出ます。
ですが、碁の場合は実際には打ち手が動かすのは指くらいです。
これで派手にするのには限界があります。
かといって、心理描写で勝負するとなると、それは漫画よりも小説向きとなってしまいます。
そこで、ヒカルの碁は大胆にも「勝負の内容」にはそこまで焦点を当てずに「結果」をすぐに出すことで、「ストーリー」を見せるという形にしたのだと思います。

なので、「碁」そのもの勝負の描写を厚めに描かない反面、「人間ドラマ」を強く描いています。
登場人物が人生をかけて勝負に挑むという描写、つまり勝負前までの人間ドラマを描き、勝負はさっと決着し、その勝負の結果により、登場人物がどうなっていくか、というのを見せていく漫画になっています。

また、主人公のヒカルは最初、碁の素人ですが、物語の中で成長してトップ棋士へと昇っていきます。

これができるのが「勝負」という直接本人が戦うジャンルだからこそできる方法ですね。
以前にも書きましたが、いわゆる音楽ものだと、これがやりづらいです。
本人たちの直接勝負で決着がつくわけではなく、第三者が勝敗を決めるからですね。
料理ものも同じですね。
将太の寿司では職人としての腕を磨くストーリーでしたが、基本は料理の工夫の話ですね。
修行によって「ここまで強くなった」というのが見せ辛い分野です。
ですが、「碁」は直接本人同士で戦うというものなので、スポーツやバトルものよりは見せ辛いのはありますが、どのくらい強くなったかを見せられるジャンルだと思います。

結構、ジャンルの話をしてしまいましたが、ヒカルの碁の魅力はキャラクターの一点に尽きるかと思います。
碁に全てを捧げた登場キャラが、自分の全てをかけて碁で勝負するという展開は熱いものがあります。

まったく碁のルールがわからなくても、面白く読める作品になっています。
もし、まだ読んでいないのであれば、是非、読んでみてください。

それでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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もち猫

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もち猫

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