今回は2回のアニメ化もされた、話題のダイの大冒険の感想を書いていきたいと思います。
話題にもなっていますし、ドラゴンクエストを題材にしているとこうこともあって、知っている方も多い漫画でしょう。
最初に結果を書いておくと、書くまでもないかもしれませんがお勧めの作品になります。
それではどこが面白いかを書いていきたいと思います。
まず、この作品のストーリーはかなり王道です。
王道というと悪い意味に取られることもあります。
というのも「王道」ということは、「ありがち」「展開が単純」「オリジナリティがない」と思われがちですが、そうではありません。
逆にそう思われてしまう作品は「王道」を使いこなせていない、そもそも王道になっていないことが多いです。
王道というのは長年使われてきた、手垢がついたと思われてしまうことがあり、「オリジナリティ」がなくなってしまうので嫌われることが多いのですが、そもそも、ストーリー展開にオリジナリティを求めると、ストーリー自体が破綻してしまう恐れがあります。
王道というのは基礎でありながらも、土台となる部分いなります。
「オリジナリティ」を求める箇所は「ネタ」や「人間関係」「キャラクター」に求めるべきで、ストーリー展開ではありません。
いわゆる起承転結に近い、「技法」に近いものとなります。
話が逸れました。
作品の感想に戻ります。
ダイの大冒険は勇者であるダイが、大魔王を倒して世界を平和に導くという内容です。
旅の途中で仲間を集め、また、敵さえも仲間になるキャラクターもいるというバトルものでの王道を抑えています。
敵が仲間になるということは、その敵キャラは魅力があるということです。
敵でありながらも、信念があり、自分の中に正義を持っているというキャラクターが多いということでもあります。
ダイの大冒険はキャラクターが多いというのがありますが、どのキャラクターも特徴的で魅力的なので、キャラがごちゃごちゃになることもありません。
ダイも仲間たちも修行で少しずつ強くなり、強い敵を倒して進んでいくという流れはやっぱり面白いですね。
ですが、この作品にも引っかかる点はあります。
最初はダイの覚醒状態が強すぎて、最初の頃は全てダイが覚醒状態になって撃破してしまうというのがあるので、覚醒状態になるまでが茶番に見えてしまうところです。
最初の頃はどんなにピンチになっても、「結局、覚醒状態になって勝つんでしょ」となってしまいます。
これはダイがなぜ強いのか、大魔王と戦う勇者たる所以のところなのでしょうがないとは思います。
あとは物語にスピード感を出すためのギミックだったかもしれません。
ですが、それでもそこに工夫が欲しかったですね。
例えば、自分の意思で覚醒状態の力を出せるが、うまく力をコントロールできないという感じであれば、前半の茶番感は薄れるんのではないでしょうか。
では、なぜ茶番感が出てしまうかというのは、「覚醒状態」というのが最強状態だと知っているのに、最初はその覚醒状態になる方法を模索しないところですね。
それはつまり、強くなれる可能性があるのに、それを放置して、戦闘でピンチになるというのは少々間抜けに見えてしまいます。
それであれば、自分の意思で出せるが、デメリットも高いとした方が切り札感となるかと思います。
僕のヒーローアカデミアの主人公のデクのワンオアフォールみたいな感じですね。
ヒロアカの場合は、自分の体の方がもたないというデメリットがあるため、力を持っていても全力で出すことができないという制限があるわけです。
ですが、ダイの大冒険でも、ダイが常時、覚醒の力を使いこなせるようになってからは一気に、バトルでも緊張感が高まっていきます。
つまり、ダイがやられると、勝てる仲間がいないので、本当にピンチということになります。
覚醒状態を使いこなす前は、「早くピンチになって、覚醒状態になって」という流れなので、やっぱり茶番に見えてしまうわけです。
バトル漫画の特徴としては、最初当たりが面白く、後半になるにつれて盛り上がりが少なくなるというものも多いですが、この作品は逆に尻上がりだと思います。
そして、なにより、面白いのが仲間のポップの存在ですね。
ある意味、ポップが一番主人公しています。
最初は本当に情けないキャラですが、この作品内で一番の成長を果たします。
大魔王にも人目置かれる存在になる展開は、読んでいて胸が熱くなりますね。
ダイの大冒険は強い敵が現れ、ピンチになりながらも勝ち、修行をして強くなり、また強敵が現れ、という王道の展開ですが、飽きさせることなく、最後まで止まることのない熱い展開です。
まだ、読んでいないというのであれば、是非お勧めですので、読んでみてください。
それでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました。