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【漫画】学糾法廷 感想

今回は学糾法廷の感想を書いていきたいと思います。

この作品はある意味、話題になった作品でもあるので、知っている人は知っているのではないでしょうか。

最初に結果を書いておくと、私的にはお勧めできません。

それではどこが引っかかったのか、書いていきたいと思います。

この作品はタイトルでも何となくわかるように、学校での裁判の話になります。
この頃は裁判のゲームであるダンガンロンパのブームの後期辺りでその話題に乗っかったのもあるのでしょうか。
ただ、逆に何かとダンガンロンパと比べられてしまうというデメリットもあったのではないでしょうか。
そして、さらに学校内で、学生たちで裁判をするとなるとダンガンロンパが先にあるので、二番煎じ的な印象も受けるのもあったと思います。

ただ、そんなデメリットがあったとしても、ストーリーが面白ければそんな声もドンドンと消えていくのではないでしょうか。
ですが、この作品はストーリーとしても、引っかかる点が多かったです。

まず、主人公が小学生というのが失敗だったのではないでしょうか。
裁判ということで、基本は喋りでの勝負になります。
普通に考えてどうでしょうか。
小学生が理路整然と、論理的に話す状況を見て、どう思うでしょうか。
「凄い!」と思うよりは、「生意気」という印象を受けてしまうと思います。

名探偵コナンは小学生ですが、中身は高校生です。
高校生であれば、頭のいいキャラクターとしても受け入れられる年齢かと思います。
まあ、この辺は高校生が主人公という漫画多いというのも背景としてあるかと思います。
逆に小学生が主人公という漫画は、あまりなく、あったとしても「頭がいい」推しではないでしょう。

さらに、対象読者として考えても、失敗だったのではないかと思います。
裁判の話、難しい話ということで、おそらく対象読者は中学生以上だったと思います。
つまり、対象読者よりも年齢が下の主人公が、論理的に話、相手の間違いを指摘していくというのを見て、感情移入できるでしょうか。
感情移入しやすいのは、自分と同じくらいの年齢のキャラクターの方がしやすいです。
となると、その時点で小学生の主人公に、感情移入できる読者は少なかったのではないでしょうか。
そして、感情移入できないなら、生意気な子供が生意気なことを言っている、という印象を受けやすくなってしまいます。
また、主人公が、結構嫌なキャラクターというのも、マイナスだったと思います。
ダークヒーロー的なキャラクターです。
近いキャラとしては、鉄鍋のジャン!のジャンが近い感じでしょうか。
こういうキャラは、キャラとして強いというのがありますが、扱いを間違うと反感を買いやすいです。

ということで、舞台と主人公の時点で、マイナス面が大きい作品だったかと思います。

ただ、これよりも引っかかったのが、最初のエピソードです。
正直、ここは致命傷だったのではないでしょうか。

最初のエピソードで何をやったのか。
それは主人公の饒舌を証明するために「学校にゲームを持ち込んでは、なぜダメなのか」ということを教師に対して論破する、という流れがありました。
この題材もちょっと、どうかと思います。
ほとんどの人は「当たり前でしょ」と思うところです。
読者の多数は「学校にゲームを持ってきてはいけない」という感覚なので、教師側のわけです。
つまり、この状況を論破してしまうと、必然的に読者を論破する形になってしまいます。

また、論破の内容も、正直、論理的というよりはへ理屈に近かったというのがあるのですが、なによりやってはいけなかったのは、相手の教師が女の教師だったことです。
しかも、この教師はどちらかというと気の弱い、読者からすると「応援したくなるような」の方の先生です。
そんな先生相手に、小学生がへ理屈のような理論で、論破するわけです。
これは主人公に対して、凄いというよりは、なんだ!この主人公は!とヘイトになってしまいます。
この時点で、感情移入は全くしてもらえなくなります。
ダークヒーローにするのであれば、別ですが、それにしても、主人公としての「正義」が見えません。
これは主人公を紹介するエピソードとしては悪手だったのではないでしょうか。

では、どうすればよかったのでしょうか。

ここはオーソドックスでも、意地悪でゴツイ、悪人のような男性教師を論破するべきでした。
そして、題材は「学校にゲームを持ち込まない」というような、ほとんどの人が持ってきてはいけないと思うようなことではなく、「酷い校則」にすればよかったのではないでしょうか。
例えば、髪は眉にかかってはいけないとか、地毛が赤なのに染めて来ないと殴られるとか、理不尽なことに対して、論破すれば、読者もスッとしたのではないでしょうか。

正直、1話で読むのを止めた読者も多かったのではないでしょうか。
ジャンプでも、すぐに後ろに回され、全22話で終わってしまいました。

せめて、主人公は高校生にすれば違ったのではないでしょうか。
おそらく、ダンガンロンパが高校生だったので、避けたというのがあると思いますが。
ただ、その場合、避けるべきは作品の雰囲気にするべきだったのではないでしょうか。
例えば、ギャグ側に寄せるとか、賭ケグルイのように裁判で学校の立場が決まって来るとか、そっちの方がよかったのかなと思いました。

この作品は色々と考えさせられる作品でした。

それでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

もち猫

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もち猫

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