今回はアニメ化にもなった、武装錬金の感想を書いていきたいと思います。
武装錬金はるろうに剣心の作者である和月伸宏先生による作品になります。
るろうに剣心は実写映画にもなり、多くの人が知っているかと思いますが、武装錬金も知る人ぞ知る人気作品になります。
最初に結果を書いておきますと、私的にはお勧め度は普通といったところです。
それではなぜ、こんな微妙な感じなのかを、るろうに剣心と見比べる形で書いていきたいと思います。
武装錬金はるろうに剣心と同様にバトル漫画になります。
るろうに剣心と大きく違うのは、時代は現代で、主人公は高校生というところです。
るろうに剣心は「明治」という、あまり描かれていない時代の話ということで「もの珍しい」というアドバンテージがありました。
あまり描かれない時代というのは、目を引くものです。
例えば、キングダムは「春秋戦国時代」を描き、鬼滅の刃は「大正」というあまりなかった時代を描いています。
そういう点で言うと、武装錬金は時代は現代ということで、時代というアドバンテージはるろうに剣心と比べると低いという感じになります。
ただ、その分、珍しい要素として「錬金術」を持ってきていたのだと思いますが、あまり「錬金術」感はありませんでした。
また、錬金術という要素は既に「鋼の錬金術師」が先になったので、それとは違う「新しい切り口の錬金術」というのがないと厳しかったのではないでしょうか。
鋼の錬金術師は主人公が「錬金術師」でしたが、武装錬金の主人公はただの高校生で、錬金術で作られた合金を「使う」だけの形でした。
つまり、主人公が「錬金術」を使えるわけではないので、どうしても「錬金術」が物語の中心から外れがちになってしまいます。
なので、るろうに剣心の「明治時代」で「人斬り」という要素と比べると、ネタとしては弱かった印象です。
主人公に関しても、るろうに剣心の「飛天御剣流の剣豪」であり「人斬り」であることと比べると、武装錬金の主人公は「高校生」という要素だけでした。
何となく、読者は「血筋が特別」というのを求めているような気がします。
特にジャンプに関しては、主人公は優秀な血筋のキャラが多いような気がします。
ナルトしかり、ハンターハンター、ワンピースもそうでしょうか。
ただ、「高校生」というのは読者に近い年齢なので、「感情移入はさせやすい」というのはあります。
ですが、武装錬金の主人公は熱い心を持ってますが、ちょっとおバカなキャラという微妙なラインでした。
もう少し突き抜けたバカだったりすると、また違ったかもしれません。
ただ、逆に主人公以外のキャラの方が特徴的というのがありました。
敵であるパピヨンや、ヒロインである斗貴子は主人公よりも人気があったのではないでしょうか。
ヒロインの斗貴子は顔に傷があるという、なかなか珍しいタイプのキャラクターでした。
なので、ヒロインで言うと、るろうに剣心の薫よりも人気がありました。
あと、気になる点としてはバトルのところになります。
るろうに剣心では主人公が「飛天御剣流」を使うということで「必殺技」が数多く登場し、シーンとして派手だというのがありました。
ですが、武装錬金では「必殺技」というのがなく、武器で突っ込むという戦い方でした。
派手な必殺技は少年バトル漫画に必須な要素だと思います。
なので、武装錬金でも派手な技を使うか、せっかくの錬金術という要素があるので、武器の形状変形などあれば面白かったかもしれません。
こういう側面があったためか、後半は失速し、急いで畳んだような感じで終わってしまいました。
るろうに剣心と比べてしまうと、どうしても全体的にパンチが足りない作品になってしまったかと思います。
ですが、ヒロインの斗貴子が凄くいいキャラですので、斗貴子を見るのに読むというのもよいかもしれません。
それでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
武装錬金 1 (集英社文庫(コミック版)) [ 和月 伸宏 ]