今回はドラマ化にもなったコウノドリの感想を書いていこうと思います。
コウノドリのジャンルは医療で、素材としては産婦人科になります。
それでは最初に結果を書きますと、私的には読者を選ぶ作品だと思います。
つまり、賛否両論、読む人によって面白さを感じる幅が大きいという形になります。
では、どのような形で賛否がわかれるのかを書いて行こうと思います。
まず、医療系の漫画というのはかなり色々と作品があります。
ブラックジャック、スーパードクターK、医龍、ドクターコトー診療所、ゴッドハンド輝などなど、挙げるとキリがありません。
そんな中で、コウノドリの新しい切り口としては「産婦人科」に絞ったところだと思います。
上で挙げた作品の中でも、1つのストーリーとして「産婦人科」に関する話があったとしても、それだけを扱ったという作品はないのではないでしょうか。
そこがコウノドリの強みでもあり、弱みでもあるかと思います。
読者としては「新しいネタ」というのは、それだけで話題を呼びます。
なので、漫画というのはどれだけ新しいネタを持ってくるか、で人気が出るかの大半は決まってしまうのではないでしょうか。
そもそも、新しくないと他の作品に埋もれてしまいますし、埋もれてしまうとそもそも読んでもらえませんから。
なので、この「産婦人科」に絞ったというのは新しい切り口で、話題を呼んだのだと思います。
次に、その切り口がなぜ、弱みでもあるか、という部分です。
それは「産婦人科」に絞ったことにより、読者も絞られてしまうという点があります。
どういうことかというと、普通の医療漫画であれば、様々な病気、外傷などなど、「どんな読者」にも「自分の身に降りかかるかもしれない」というものが根底にあります。
つまり身近に感じるので、患者のキャラクターに感情移入しやすいというのがあります。
ただ、あくまで主人公が医者側が多いので、そこまで患者に感情移入しないかもしれませんが。。
それでも、感情移入した患者を助ける、医者の主人公というのは「ヒーロー、ヒロイン」に見えるわけですね。
格好いいと思ってもらえるわけです。
ですが、コウノドリは文字通り「産婦人科」に絞ったことで、結構、感情移入できる読者も絞られてしまいます。
つまり、出産に関わっている、もしくは関わっている、関わりそうな人に絞られるわけですね。
もちろん、物珍しい題材ということで、出産に関わりのない読者も読むかもしれませんが、熱量としてはどうしても低くなってしまうのではないでしょうか。
正直に言うと私自身、この作品に対して、そこまで熱量高く読むことができませんでした。
つまりのめり込めないといった感じでしょうか。
ただ、逆に「出産」に関わる読者に関しては、熱量高く読めるのではないでしょうか。
「出産」に関わった読者視点であれば「あー、こういうことあった、あった」という部分で自分と重なれば、より熱量が高くなっていくと思います。
なので、私的には医療系の漫画の場合、奇抜な設定やキャラクターを作るのが難しい場合は、思い切って、絞ってみるというのは良い手ではないかなと思いました。
以上が、賛否両論というか、読む人によって面白さが全然違うのではないかという理由になります。
……最後に一点だけ。
主人公のピアニスト設定、いりますかね?
まあ、キャラ付けの一つの要素として入れたのでしょうが、あまり活かされていないような印象を受けました。
仕事が入ったら、コンサートをキャンセルするっていうのは、確かに患者から見たら嬉しいことですが、ピアノを聞きに来たファンからしたら、「は?」ってなりますよね。
であれば、絶対にコンサートはしない、録音のみの謎のピアニスト、とした方が顔もわからないというのも自然だったのではないかなと思いました。
まとめますと、コウノドリは「産婦人科」に特化したジャンルの漫画です。
もし、興味があれば、是非、読んでみてください。
それでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました。