今回はらーめん再遊記3巻の感想を書いていきたいと思います。
ネタバレ有りなので、注意してください。
3巻ではベジシャキ豚麺堂のメニューコンテストが終わり、芹沢のバイトも終了となります。
2巻のラストで「なんか面白くないな」というセリフは、結局、コンテストに芹沢の乱入という形で幕を閉じました。
まあ、カリスマらーめん職人である芹沢が全てをかっさらってしまうというのは当然ですね。
この辺は読者としても、乱入したという時点で結果はわかっていたと思います。
そこまで引きになったわけではなかったですね。
バイトの話が終わり、次はらーめん自販機の話に突入します。
大学の講師として呼ばれた芹沢は、自分を読んだ大学の准教授の勧めにより、あるラーメン屋へ行きます。
そこで、昔、関わったラーメン職人に再会します。
その職人の師匠である宇崎と芹沢は、ラーメン界のことを語り合ったという、旧知の仲でしたが、その宇崎がクリエイティブなラーメンを作ると言って、山奥でラーメン屋を開店します。
ですが、客が来ず、落ちぶれ、やがて閉店することに。
そんな話を聞きつつ、山奥にあるらーめん自販機という珍しいものを見に行った芹沢は宇崎と再会し、なんとらーめん自販機を使って対決する……という内容になっていました。
今回で、また一気に話の雰囲気がガラっと変わりました。
バイトをする芹沢というのも珍しくてよかったのですが、やっぱり、偉そうというか職人としての芹沢の方が合っていますね。
ただ、らーめん再遊記は芹沢というよりはゲストの人物を深掘りしていく作品になっています。
今回はもちろん、宇崎のらーめん職人としての挫折により、人間としても落ちぶれていたところをある女の子の生き方を見ることで立ち直っていくというストーリーが描かれています。
ラーメン職人だけではなく、人は何かに挫折したとき、虚無感に陥り堕落してしまうというのはリアルですね。
天狗になっていた頃や、有名になろうと躍起になるところなんていうのは、誰でも陥りやすいのではないでしょうか。
自分はこれといった挫折などはしたことはないのですが、すごく宇崎というキャラクターに感情移入できました。
40代以上であれば尚更ではないでしょうか。
らーめん再遊記は、らーめんのうんちくや、美味しそうならーめんの描写を楽しめるというのもありますが、やっぱり、泥臭い人間の人生というのを描いているというのが持ち味ではないかと思います。
銀平飯科帳も待ち遠しいですが、やっぱりらーめん再遊記も面白いですね。