今回は「地獄の業火で焼かれ続けた少年。最強の炎使いとなって復活する。」の1巻の感想を書いていきます。
最初に率直な感想を言うと、「突っ込みどころ満載」です。
今回は1巻のネタバレ有りなので、ご注意ください。
まず、開始5ページでいきなり突っ込みどころが……。
いきなりチンピラみたいな四人組が主人公に絡んできます。
「今日こそ、追い出してやる」と。
そして、その次のページでは主人公にボコボコにされるという展開です。
まあ、主人公が強いというのを表現したかったのでしょうね。
この展開自体には特に問題は無いと思います。
ですが、その次のチンピラの台詞がいけません。
「一体、どんな呪術を使いやがった?」と。
いや、あなた、「今日こそ」って言ったじゃないですか。
今日こそっていうことは「何回も追い出そうとした」はずですよね。
毎回、ボコボコにされているはずなのに、また、聞くんですか?
そして、師匠と主人公の説明台詞が入ります。
どうやら師匠は呪術師なのに格闘術を好む人らしいです。
……呪術師である必要あるんですかね?
格闘家でよくないですか?
まあ、この世界では「格闘」では食っていけないのかもしれませんが。
次に、主人公が「地獄門」というものの生贄に選ばれたという衝撃の発言があります。
なんでも、その地獄門は世界を燃やし尽くす業火を封印しているとのことで、この封印が解かれれば、世界中が業火に包まれ、滅びてしまうそうです。
……なんで、そんな世界の運命を決める物騒な物が「最北にあるとある『村』」にあるんですかね?
いやいや。そんな危ない物なら、国家レベルで管理するべきですよね?
もし、何かの災害で村が滅んだりしたらどうするですか?
それで世界が終わってしまうんですよ?
そして、主人公は生贄に選ばれたことをあっさりと受け入れます。
元々は野垂れ死にしそうなところを師匠に拾ってくれたとのことで、ここまで生きてただけでラッキーだったから、まあいいや、だそうです。
……それ、どうなんですかね。
拾って育てた師匠に失礼じゃないですかね。
そんな感覚で、今まで救ってくれた命を投げ出しては、助けた甲斐もないでしょう。
……まあ、ここは生贄になることが、師匠のためと考えていたということで納得しましょう。
それよりも引っかかったのは、儀式です。
まずは地獄門について。
世界を業火に包むほどの危険な門のはずですが、普通の鉄の扉ですね。
もっと、こう、禍々しさを出すことはできなかったのでしょうか?
それに主人公は「思ったよりでけー」という感想を言います。
確かに、「普通の門」と比べれば「大きい方」でしょう。
大体、城の入り口の門くらいの大きさですかね。
……とても、世界を包み込むほどの業火が封じられている大きさではなさそうです。。。
そして、ついに儀式の始まりです。
扉の中に入るだけなので、簡単ではあります。
その場には主人公と師匠の2人しかいません。
そして、「掟で見送りは禁止されている」ようで師匠さえも去っていきます。
……いや、これ、逃げますよね?
生贄ですよ?
今までの生贄の人は全員、素直に生贄になったんですかね?
「何年周期で生贄が必要か」も書かれていないので、もしかしたら、主人公が初めてなのでしょうか。
……いや、そうだとしたら、「生贄を与えたら封印を維持できる」のかわからないですよね。
ということは何人かは生贄になったはずです。
その中の誰かが逃げたら、世界は終わりですよ?
せめて、入るところまでは誰かいるべきですよね?
そんなんで、よく今まで、世界が無事でしたね。
……こんなんだと、やっぱり村単位で地獄門を管理するのは危険ですよ。
ここまで14ページです。
14ページの間でここまで突っ込みどころが満載です。
もちろん、このあとも突っ込みどころ満載です。
素直に地獄門に入る主人公。
当然のように業火に包まれます。
そして、あっさりと体が燃やし尽くされます。
ここまではわかります。
次に、魂を焼き尽くすそうです。
ん?どういうこと?
……まあ、いいです。わかりました。
なんだかわからないですけど、魂が燃やされ続けるんですね。
厳しいですけどその設定は飲み込みます。
なんか、次の生贄が来るまで、ずっと魂を燃やし続けるらしいです。
とにかく、その業火の苦しみの中、永遠と思うほどの長い時間をずっと燃やされ続けたそうです。
……そして、ついに――
「痛みに慣れてしまった」そうです。
!!!!!!!!!!!!?????????
は?
いやいやいやいやいや、ちょっと待ってください。
一旦、落ち着きましょう。
えっと……まず、前任者達は?
前任者達は誰一人、慣れる人はいなかったんですかね?
まあ、いなかったとしましょう。
きっと、みんな慣れることなく燃え尽きたんでしょうね。
次の疑問はなぜ、主人公が耐えられたか、です。
痛みに強い描写なんてありましたかね?
……ないですね。
肉体的には鍛えていたというのはありますが、肉体は最初に滅んでますよね?
精神が強いという描写もありませんし……。
なぜなんでしょうか?
なぜ、主人公「だけ」が「特別」に耐えることができたのでしょうか?
そして、痛みに慣れた主人公は地獄門の中の探索を始めます。
地獄門の中には宝石があり、それを手に取ると炎を吸収できるようです。
主人公はその宝石を全て吸収して、炎を消すことができます。
……なんか、地獄の業火ってチョロいですね。
こんなんで消せるなら、世界中の全呪術者を集めて、扉を開けて、宝石をゲットするとかできなかったんですかね?
まあ、そんなのは危ないからやらなかったんでしょうね。
わかります。
とにかく、炎を集めたことで炎で肉体が出来上がりました。
……ん?
主人公も「どういう原理なんだ?」と言ってますが、どういう原理なんですかね。
人間の形の炎というなら、まだ納得できますが、完全な肉体です。
涙も流せます。
とにかく、地獄門の業火を消すことができたので、地獄門から出ます。
すると物凄く時間が経っていたせいか、地獄門がその辺に転がっている状態でした。
いやいやいやいやいや!
主人公が偶然、地獄の門の業火を吸収しましたが、もし、出来てなかったら、世界が滅んでましたよ?
こうなるから、村で管理はいけませんよ、ホントに!
国家レベルで、「絶対的な不可侵」の場所で管理するべきです。
……まあ、いいです。
きっと、みんな、そんな危険な門があるって知らなかったんでしょうね。
とにかく、門から出た後は、お決まりの「女の子を助ける」イベントの開始です。
いやあ、鉄板ですね。
襲われているのは可愛い女の子で、しかも、お姫様でした。
護衛も女騎士というコテコテの鉄板です。
ここまでくるともう、清々しいですね。
この護衛の女騎士さんは聖騎士らしいのですが、姫の唯一の護衛なのに、山賊に勝てずピンチです。
……あなた、ホントに聖騎士なんですか?
お姫様はなんでそこまで強くない聖騎士さんに護衛を頼んだんですか?
まあ、ここで文句を言ってはいけませんね。
なぜならここで女騎士が勝ってしまったら主人公が活躍できません。
当然のように主人公が助けに入ります。
……まあ、肉体が出来たばかりなので裸状態で、「変態」というネタも忘れていません。
で、山賊の一人を殴り飛ばし、服を奪って着ます。
ちゃんと着替えるのを待ってくれる優しい山賊さん達。
着替え終わって準備OKになったら、「囲んじまえ」と動き出します。
あっさりと体術で山賊を叩き伏せます。
そして、主人公は思います。
「以前よりも体の調子がいい」
「今までなかった『何かが』俺の中にあるような…」
ええ。そりゃそうでしょうよ。
だって、その体は炎から出来てますし、「宝石を取ったことで、業火を取り込み」ましたよね?
数ページ前に、自分で言いましたよね?
違和感がないほうがおかしいです。
そして、ぶっ飛ばした山賊の中で、一人だけしぶとく気絶していなくて、姫を襲います。
慌てて主人公が庇いますが、思わず業火の力を使います。
その炎の威力は凄まじく、鉄の剣をも溶かしてしまうほどです。
まあ、そりゃそうですよね、
世界を焼き尽くすと言われている業火ですから。
ですが、その業火をくらった山賊の感想は「熱ぃ」です。
いやー、凄いですね。
鉄の剣が溶けるほどの温度なのに「熱ぃ」ですからね。
……主人公より、業火に対しての耐久力があるんじゃないでしょうか。
次の生贄は彼に決定ですね。
とりあえず、山賊を撃退した後、姫は主人公に護衛を頼みます。
……いやあ、遅いですよ。
そんなお金あるなら、ここに来る前に護衛を雇いましょうよ。
……まあ、いいです。
もし、護衛を雇っていたら姫たちはピンチになりませんからね。
主人公を活躍させるためには、しょうがないですね。
で、す、が!
その姫の提案を聖騎士(笑)が反対します。
姫が美しいので、男なんか雇うのは危ないと。
いやいやいやいやいやいやいやいやいや!
あんたら、さっき、山賊相手に貞操危なかったですよ?
聖騎士(笑)が弱いせいで、姫様、ホント危なかったんですよ?
まあ、なんやかんやあり、とにかく森を一緒に出ようという話になります。
で、森を出ようと歩き始めた瞬間、何を思ったのか、主人公はいきなり業火を放ち始めます。
……なぜ!??
なんか、業火を扱うための練習っぽいのですが…………。
いや、あんた、今、いる場所わかってますよね?
森ですよ?
下手したら炎にまかれて死にますよ?
しかも、自分でも言いましたよね?
「まだ全然扱いきれてないけど」と。
そんな状態で意味なく、森の中で鉄を溶かすほどの業火を放ったんですか?
……あー、いや、どうやら、姫たちが歩きやすいように草を焼いてたらしいです。
いやあ、優しいですね(笑)
姫と護衛はめっちゃ、汗かいて辛そうですよ?
とにかく、元居た村に到着し、師匠と暮らした家に到着します。
そこで師匠の日記を見つけて、師匠の想いを知り、とにかく、第二の人生を自由に生きるという展開でした。
ここまでで1巻の半分くらいです。
もちろん、この後も色々と突っ込み満載の漫画でした。
ここからの後半は是非、あなた自身で突っ込んでみてください。
設定ガバガバな作品が無理な人はお勧めできませんが。