今回は「味方が弱すぎて補助魔法に徹していた宮廷魔法師」の感想を書いていきたいと思います。
転スラに続き、自分の中でのヒットを探そうと色々と「なろう系」に手を伸ばしてみているのですが。。。
まあ、いつも通りの「悪い意味でのなろう系テンプレート」ですね。
俺つえーの、周りはバカばっかりってやつです。
「俺、またなんかやっちゃいました?」系ではないのが救いですかね。
率直な感想を書くと「適当だなぁ」です。
では、どんなところが適当なのかというと、世界観です。
まず、ストーリーとしては、魔法学院の生徒がダンジョン攻略をするのですが、今までは37層が最高だったのを、主人公たちは68層を攻略した伝説のパーティだったという話です。
んー、まず突っ込みたいのが、なんで学生が危険なダンジョンを攻略するんですかね?
学生がする意味がまずわかりません。
学校側で用意した、いわゆる実力試験のための作られたダンジョンかと最初は思ったのですが、違うようです。
というのも、魔法学院を卒業した主人公がダンジョン内にいるところからスタートするからです。
このストーリーのキーのはずである「なぜ、ダンジョンを攻略しなければならないのか?」というの書かないから、全然、感情移入できません。
SAOのように命がかかっているとか、ダンまちのように生活のためとか、1ページ、いや1コマだけでも書いてくれれば、いいのにそれをしません。
そして、いつものなろう系の追放ものと同様に、貴族の坊ちゃんのパーティについて行ってるのですが、この坊ちゃんがアホ過ぎて、パーティをクビになります。
まあ、この坊ちゃんは貴族でプライドが高く、平民の主人公と一緒にパーティを組まされていることに不満で、なにかと追い出そうとしているという背景があります。
なので、武器を持つな、派手な魔法を使うなというわけのわからない条件を付けつつ、「役に立ってない」と言いがかりをつけて追い出すという流れです。
……ところで、なんで貴族の坊ちゃんの父親は危険なダンジョンに息子を送り出しているんですかね?
死んだらどうするんでしょうか?
やはり、ここが「なぜ、ダンジョンを攻略しなければならないのか?」という理由がないのでどうにも不が落ちません。
首にされた主人公は、学生時代の元パーティのヒロインと再会し、再び、パーティを結成してダンジョンを攻略しようという話になります。
やっぱり、ここでも「なんで?」となります。
そもそも、「ダンジョン攻略」以外に、ギルドに所属する魔法使い達が活躍する場があるのかが全く分かりません。
もう、とにかく、圧倒的に「説明が足りない」状態です。
そのせいで、本当に読んでいて苦痛ですし、主人公に全然感情移入できません。
さらに、再度、30層以上に入るのは許可証がいるらしく、主人公たちは門前払いをされます。
そして、その許可証はギルドに2年以上、在籍していないと発行されないのだとか。
……いや、学生の頃、30層以上に進んでましたよね?
なんでしょうか?
学生証は許可証の代わりになるんですかね?
よくわかりませんが、許可証が出せないと言われたので、1から攻略すると決めます。
……いやいや、ギルドの2年以上在籍しないとダメなら、まずやるのはギルドに入ることじゃないですかね?
そして、肩慣らしでやってきた2層のモンスター相手に、なんと!主人公たちは苦戦します!
……いやあ。あんたら、本当に伝説のパーティなんですか?
よくその口で、坊ちゃんに「まだ30層は早すぎる」と言えましたね。
お前が言うなって感じですね。
……2層で苦戦って。。。
そして、ここでさらに、驚くセリフが。
「宮廷魔術師じゃない。今の俺は冒険者だ」
……なにが違うんですかね?
宮廷魔術師のときでも、あなたはダンジョンに潜ってましたよね?
本当に、説明が足りないです。
そして、2層をクリアして浮かれる主人公たちに、ギルドマスターが現れて、実力を見せろと言われます。
まあ、2層で手こずってますからね。
ギルドマスターからすると、こんな人たちに許可証は出せません。
そして、ギルドマスターとのバトルが開始されます。
ですが、ここはあくまでも、「俺強ぇ作品」です。
なんとかギルドマスターに勝利して、無事に許可証を貰うという展開に。
そこに、かつての仲間がもう一人現れて、仲間になります。
……いや、ホント、あなた達、普段は何している人なんですかね?
全然、生活感が見えません。
さらに、許可証が出たタイミングで、Sランクのパーティが全滅したので、助けを求められます。
そして、学生時代のパーティで再び、ダンジョンの攻略を開始していくという流れになります。
んー。読んでいて、この作品は設定などは全然、作り込んでないなと感じました。
そのせいで、世界観が薄っぺらく、主人公の目的もよくわかりません。
さらに、主人公も本当に強いのかも怪しいという。。。
2層で苦戦するシーン、いりますかね?
とにかく、正直に言って、この作品はお勧めできません。
第2の転スラはいつになったら見つけられるのでしょうか……。。