Categories: 単行本

【漫画】ダイヤのAの1部の感想ネタバレあり

今回はダイヤのA(第一部)を読み終えたので、改めて感想を書いていきたいと思います。

ネタバレありなので、ご注意ください。

読み終わった後の率直な感想として、「主人公は誰?」です。

これは前々から思っていたところですが、改めて読み終わったときに感じたのが、主人公の沢村があんまり活躍しないってところです。

本当に、主人公って誰だっけ?状態です。

言ってしまうと、青道野球部自体が主人公と言う感じでしょうか。

いえ、どちらかというと、監督が主人公説までありそうです。

なんというかジャイアントキリングの劣化というか、選手を信じるだけの達海と言った感じですかね。

とにかく、ここぞ、というときというか試合の中で、沢村が本当に活躍して勝ったという感じがしないんですよね。

本当に1、抑え選手くらいの立ち位置です。

しかも、途中で自分のせいで逆転を許して負けてしまい、3年生が引退になってしまったことによりイップス(インコースに投げれなくなる)になってしまいます。

そこまで活躍してこなかったのに、です。

この時点で既にエース候補から外れているのと、絶対エースである降谷がいるので、チームとしては多少は痛手ではありますが、致命傷というわけではありません。

そして、なんとかイップスから立ち直り、今までは直球しか投げれなかったところを変化球を覚えます。

そもそも、沢村は剛速球型ではなく、サウスポーで投げるタイミングが取りづらいという微妙な性能の選手です。

よく、主戦力の一人に計算してくれてたな、という感じですね。

そもそも、3年生がいたときから、エースが故障で離脱している間、降谷が踏ん張っていました。

その辺りから、降谷がエースとしての頭角を現していたというところです。

ここは沢村が食い込んでこないと、主人公としてどうなのか、って感じがしてました。

そして、なにより、第一部の最大の見せ場の試合、つまり甲子園がかかった決勝戦に、9回の裏を抑えれば勝ちといった場面。

なんと、好調に投げていた沢村を降ろし、降谷がマウンドに立ちます。

降谷は絶対エースとして、ピシャリと0点で抑えてゲームセットです。

いや、いやいやいやいやいやいや!

主人公は沢村じゃないんですか?

普通は逆ですよ!

というより、最後まで沢村に投げさせるべきですよ!

本当に、「誰が主人公?」という感じです。

おそらく、作者はあまり沢村が好きではなく、逆に降谷が好きなんだろうなと感じました。

改めて考えると、降谷の活躍、途中での怪我、エースとしての自覚と覚醒……。

完璧に降谷の方が主人公らしい動きだったんですよね。

なんていうか、ナルトで考えると、サスケが主人公になっているような感覚ですかね。

しかもナルトの成長がビックリするくらい遅い感じの。

とにかく、本当に主人公が誰だかわからないくらい、誰の視点で読めばいいかわからない作品でした。

あとは、46巻で決勝戦が終わってしまい、47巻で終わることを知っていたので、「え?47巻は何を描くの?」と不思議に思って47巻を手に取りました。

すると、どうでしょう。

3年生の卒業に関してをじっくりと描いていました。

いやあ……正直、もう3年生にはそこまで思い入れなくなってますよ?

かなり前に引退したのに、ここで卒業のことを1巻丸々使ってやらなくても……。

思い入れのない、3年生の卒業した後の進路や葛藤なんか描かれても、全然、感情移入できません。

というか、もう、3年生のことをあまり覚えていなくて、誰だっけ、このキャラ?という感じです。

ある意味、47巻が一番面白くなかったです。。。

きっと、作者は降谷以上に、3年生が好きだったんでしょうね。

まさかの1巻丸々使って、卒業をやるっていうのは、作者自身が3年生のキャラとのお別れをやりたかったんでしょうね。

はあ……。

正直、沢村がチェンジアップを覚えて、「ようやく盛り上がって来た!」と思ったんですけどね。

その頃には降谷が絶対エースとして成長していたので、あんまり沢村が活躍できる場がなかったんですよね。

あまりにも、降谷の覚醒が凄まじかったので、沢村をマウンドにあげるために降谷をケガさせるくらいです。

いやあ。このガッカリ感は、はじめの一歩で「次に勝てば世界戦!というワクワクする展開で、ぽっと出のキャラに負けた」時と同じですね。

ガッカリというより絶望です。

せめて、決勝戦は最後まで沢村に投げて貰いたかったです。

あとは、落合の存在もよくわからないですね。

沢村に変化球を教えたというところで貢献したのですが、それからは特に活躍無し。

一体、なんのために出て来たのか、わからないですね。

作者も出したはいいが、どうやって使うか迷っていたのではないでしょうか。

それなら、そのまま沢村のピッチングコーチ枠として、ガッツリ沢村を見てあげればよかったのに。

なまじ、「次の監督枠」として出したので、あんまり、コーチ枠で活躍させるわけにはいかなかったんですかね。

……落合はいなくて良かったんじゃないんですかね。

一応は、3年生が抜けた後のチームにさらなる混乱の種として入れた感じですが、それ自体もそこまで動いていなかったので中途半端でした。

うーん。

ダイヤのAはⅡへと続くわけですが……正直、読むか迷っています。

主人公の沢村が剛速球型ではなく、「タイミングが取りづらい」という珍しいタイプの投手ということで、どうなるのかワクワクして読んでいたのですが、結局、作者自身も扱いきれなかったというところでしょうか。

とにかく、最初から最後まで、「主人公って誰?」状態の作品だったな、と思いました。

もち猫

Share
Published by
もち猫

Recent Posts

【漫画】だんドーン 感想

今回は『だんドーン』の感想を書…

7か月 ago

【漫画】ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜 感想

今回は『ハコヅメ〜交番女子の逆…

8か月 ago

OUT 感想

今回は『OUT』の感想を書いて…

8か月 ago

Gメン 感想

今回は『Gメン』の感想を書いて…

8か月 ago

戦隊大失格 感想

今回は『戦隊大失格』の感想を書…

1年 ago