今回は『あかね噺』の感想を書いていきたいと思います。
巻数:1~7巻 連載中
原作:末永裕樹
作画:馬上鷹将
落語家だった父親が破門になり、その父親の落語が凄いものだと証明するために落語界を上り詰めていく話です。
小さい頃からずっと父親の落語を見て育った主人公の朱音が
高校になるくらいには、かなり落語の技術が向上しているというスタートです。
わかりやすい例で言うと、『はじめの一歩』の宮田ですね。
宮田も父親のボクシングを証明するために頑張っていますね。
それの落語Verで性別が女性という感じです。
ただ、性格は『一歩』寄りです。
確かに落語に対して、ストイックですが、
落語が好きで好きでたまらないといった性格です。
なので、全然陰湿な雰囲気じゃないですね。
また、女子高生というのがいいですね。
読んでいて、華があるのと、やっていることは努力なのですが、
まったく泥臭さを感じさせません。
なんていうか、『今どき』の漫画だなぁと思いました。
というのも、まず、朱音はいわゆる『天才肌』です。
確かに子供の頃からずっと父親の落語を見てきたというのもありますが、
とにかく吸収率が半端ないです。
要所要所で助言を得るのですが、
その助言に対して1を聞いて10を知るといった感じで、
教えたことよりも上の結果を出してくるという流れです。
よくスポーツものですと、最初の大会なんかは惨敗したりします。
ですが、あかね噺ではそんなことありません。
サラサラっと勝ち登っていきます。
それが読んでいて、痛快ですね。
そして、朱音は結構、なんだかんだ言って、
先輩方から可愛がられます。
なので、結構なスピードで落語を上達させていきます。
今の人たちは漫画を読んでいてストレスを感じたくないと思う人も多いみたいですね。
あかね噺は、そんな人たちに刺さる漫画になってます。
ただ、逆に言うと『物足りなさ』を感じる人もいるかもしれません。
『葛藤』が好きな人は確実に物足りなく感じるでしょう。
ほとんど挫折をしません。
テンポがいいということは、逆に言うと『うまくいきすぎる』わけですね。
ただ、それが悪いというわけではまったくありません。
これは恐らく『狙って』やっていると思います。
読者に無駄なストレスを与えない構成を心掛けているんですね。
ですが、勘違いしてはいけません。
『問題』や『壁』はもちろんあります。
朱音の前には様々な問題と壁がいくつも立ちはだかります。
それをポポンと乗り越えていく痛快さがあり、
それこそがこの漫画の魅力と言ってもいいでしょう。
また、『落語』というあまり知っている人が少ない世界のお話ですが
その辺も解説がしっかり書かれているので、
よくわからない、といったこともありません。
逆に『落語を見てみたい』と思ってしまうほどです。
あかね噺はサラッと、明るい話を読みたいという人には
かなりのお勧めになってます。
ではでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました。