今回は『Gメン』の感想を書いていきたいと思います。
巻数:1~18巻 完結済み
作者:小沢としお
掲載誌:週刊少年チャンピオン
門松勝太は私立武華(たけはな)男子高校に転校してきた。
その高校は近くに女子高があり、「卒業までの童貞喪失率120%」との噂だった。
勝太は彼女を作り、童貞を卒業できると胸を躍らせていたが、勝太が入ることになったのはG組と呼ばれる問題児が集められたクラスだった。
G組のことは女子高にも知れ渡っていて、G組ということで女の子に相手にされないのであった。
果たして、勝太は無事に彼女を作ることができるのか?
Gメンは実写の映画化もしましたね。
ということで、読んでみました。
今回も少しネタバレがあるので注意してください。
最後まで読んでみた中での感想を率直に言うと、惜しい不良漫画という感じですね。
まず、キャラクターはとてもよかったです。
それぞれのキャラクターが立っていて、キャラ同士の掛け合いが面白いです。
なので、結構、スルスルと読めました。
ただ、読んでいて思ったのが、『迷走』している感じがしました。
というのも、『何を描きたかったのか?』という部分が、いまいち定まらずに描いていたのではないかと思います。
スタートは『彼女を作る』という目的があります。
ですが、勝太はパッと見た雰囲気はおちゃらけた気の良い奴なのですが、『実は喧嘩が強い』というのが特徴です。
真っすぐで面倒見がよく、人情に厚いキャラクターとして主人公としてはいいキャラクターだと思います。
ただ、『なぜ、喧嘩が強いのか?』という部分から『転校前の謎』の方向にシフトしていきます。
この部分が『彼女を作る』という部分と目的が合っていないのです。
謎を追っている間は『彼女を作る』という目的から話は逸れていきます。
中盤になると、女の子に対して「可愛いな」と思う程度の目的になってきます。
こうなってくると、不良漫画の花道である『喧嘩』にシフトするのが王道パターンかと思います。
『ろくでなしBLUES』がそのパターンの漫画ですね。
日常回がありつつも、要所要所で大きな喧嘩をする展開です。
Gメンもそのパターンに進みました。
ですが、小沢としお先生はあまり、バトル描写が得意じゃないのかもしれません。
見せ場である喧嘩が、割とあっさりと終わってしまいます。
他校の不良グループとも揉めるのですが、意外とあっさりと解決します。
(それなりにピンチになりますが)
なので、時々、喧嘩のお話がありますが、そこまで盛り上がらずに終わってしまいます。
そして、彼女を作るという目的の方も、途中で女の子の方が勝太を好きになるというパターンになり、彼女を作るという目的も破綻することになります。
(よくある、主人公が気づかないパターンですね。その中で、彼女を作ろうと動くと、ちょっと滑稽になりすぎてしまいます)
キャラクターはすごく良いです。
どのキャラも特徴があり、見ていて楽しいです。
ただ、『不良漫画』という題材が上手くかみ合わなかった印象です。
なので『惜しい』という感じがしました。
喧嘩要素を抜いて、ダメダメな生徒のクラスのみんなで『彼女を作ろう』で突っ切れば、また違ったかもしれません。
Gメンはキャラクターはとても良いので、スルスルと読めます。
18巻でも全然長く感じませんでした。
興味が出ましたら、是非、読んでみてください。
ではでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました。