今回は『だんドーン』の感想を書いていきたいと思います。
巻数:1~2巻 連載中
作者:泰 三子
掲載誌:モーニング
幕末の薩長同盟が結ばれる少し前。
薩摩藩の島津斉彬の家臣である川路正之進が「日本警察の父」となるまでのお話。
今回のだんドーンはあの『ハコヅメ』の作者である泰三子先生の新連載の漫画です。
ハコヅメは現代の警察のお話でしたが、今回はその警察という組織が出来るまでのことを描くようですね。
ハコヅメの方でも書かせていただきましたが、泰三子先生は元、警察官だったということもあり、やはり警察という組織に深い思い入れがあるのでしょう。
そして、今回のだんドーンの主人公である川路はハコヅメの源のようなキャラクターです。
もしかすると、源の祖先という設定なのでしょうか。
作中でも、結構、共通点があるような感じでした。
ハコヅメでも思いましたが、泰三子先生は源が好きなキャラクターなんだろうな、と。
私も源のキャラクターは好きでした。
刑事としてかなり優秀で人の心を掴むのが上手い反面、ズボラなところもあり泥臭い人間らしいところもあり、魅力的なキャラクターでした。
ただ、今回のだんドーンの川路は、そのキャラクター性が十分に活かされていない感じがしました。
というのも、ハコヅメの源は、川合の歯に衣着せぬ物言いや藤の同期としての親友ポジション、そして、バディの山田がいてこその源でした。
つまりは周りによって引き立つキャラクターという感じでした。
川路も同じなのですが、基本は熱い男ではなく、積極的に事件に首を突っ込むタイプではなく、巻き込まれ型で、面倒なことを押し付けられて、それをそつなくこなすというキャラクターなのです。
なので、どうしても受け身のキャラクターなんですよね。
このタイプは周りにかき乱すようなぶっ飛んだキャラクターがいないと、どうも話の展開が広がりづらいです。
だんドーンでは、相棒となるキャラクターにぶっ飛んだキャラクターがいません。
まだ2巻なので出てきていないだけなのかもしれませんが。。
ただ、現状では川路の相方となる西郷は、無口で何を考えているかわからないような不思議ちゃんタイプです。
そして、泰三子先生の真骨頂は「キャラの掛け合い」だと思います。
それなのに、相方の西郷が無口なタイプなものですから、掛け合いが少ないです。
これは本当に勿体ないです。
要所要所でギャグシーンがあって面白いのですが、やはりハコヅメと比べてしまうと物足りなくなってしまいますね。
また、ハコヅメの藤や川合のような、主要キャラに女性キャラがいないというのも、華がありません。
魅力的な女性キャラも出てくるのですが、敵なんですよね。。
そのキャラとの掛け合いも面白くはあるのですが、敵同士なのでほんわかした会話になりません。
あとは、歴史ものなので、とにかく説明が多くなってしまいがちです。
幕末ということで、様々な勢力のことを説明しないとならないわけですね。
正直、その部分は文字が多いわりには面白いわけではないので、読んでいて苦痛だったりします。
その辺が上手い漫画家さんは物語上でキャラの会話や場面で描いたりすることで、難なく読者に面白さと情報をインプットさせることができるのですが、泰三子先生の場合は、説明文になっているので、辛いですね。
いや、本当に泰三子先生は掛け合いが秀逸なので、物凄く勿体ない気がします。
あとはハコヅメで出てきたようなおっさんたちも出て来ないのも勿体ない気がしますね。
まあ、そこにページを裂けないのだとは思いますが。
とはいえ、まだ2巻です。
ここからグッと盛り返すポテンシャルはあるかと思います。
川路をかき乱しながらも、信頼できる相棒キャラクターが出てきてくれればいいのですが。
現段階ではハコヅメの方がお勧めできるといったところでしょうか。
正直、ハコヅメの2部の方が読みたいなと思ってしまったり。。。
ではでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました。