今回は『しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~』の感想を書いていきたいと思います。
基本情報
巻数:1~4巻 連載中
原作:左藤真通
作画:富士屋カツヒト
監修:清水陽平
どんな話?
ネットでの誹謗中傷の問題に強い弁護士が法に則り解決していくお話です。
感想
まさに今だからこそ読むべき漫画ではないでしょうか。
TwitterがXになったことで話題になりましたが、
今はまさにSNSの時代と言っても過言ではないでしょう。
ネットをやっていれば誰しもがなにかしらSNSを
やっているでしょう。
そして、それに付随して問題になるのが誹謗中傷です。
SNSは例え普段は会うようなことのない芸能人や有名人を
身近に感じられる反面、直接顔を見ないため
どこか現実味のない感覚がするのではないでしょうか。
ムカついたから叩く。
気に入らないから悪口を書く。
誰しもが簡単にやってしまうことだと思います。
ですが、その先にはリアルな人間がいて、傷付いています。
誰しもが被害者になる可能性があり、
誰しもが加害者になる可能性があります。
ですが、そのきっかけというのがあまりにも突然で気軽なのです。
それをこの漫画は表現しているわけですね。
1巻の最初のお話はブロガーの女性がデマによってブログを荒らされ、
さらに電話番号まで晒されるという事件です。
最初はこの女性側から描かれ、そのデマによってブログが炎上します。
イタズラ電話をかかってきて、ノイローゼ気味になっていきます。
そんなとき、法律事務所の無料相談のお知らせを見て、
相談しにいくという流れになっています。
デマを流した相手の開示請求をして、
和解の調停まで漕ぎつけるまで、どれだけ大変かも書かれています。
確かに、こんなに時間と費用がかかるなら
泣き寝入りする人が多いというのもわかります。
ただ、法も整備されてきていて、
その辺りも大分改善されているようですね。
なので、訴える、開示請求をする人も増えてきたのでしょう。
そして、ついに相手が誰なのかがわかります。
相手は普通の主婦でした。
今度は主婦側の視点が描かれていきます。
ざまあ展開に見えますが、
この『普通の主婦』という分が逆に読者に刺さってきます。
つまり、自分もいつ『こっち側』になるかもしれないという恐怖感です。
本人は実に軽い気持ちで書き込んでいます。
実際の現実世界でもつぶやきに神経を尖らせている人は少ないでしょう。
ということはいつ、自分が『訴えられる側』になるかわからないということです。
また、2巻ではさらに話が大きい事件になります。
加害者は会社員から子供まで様々です。
ですが、本当にありそうな事案なのです。
この漫画はエンターテイメントとしても大変面白いですが、
『教育』的な観点から見ても、すごくすぐれた作品だと思います。
ネットをやる人であるならば、1度は見ておいた方がよい、
そんな作品でしょう。
漫画の雰囲気自体はコミカルっぽく描かれています。
主人公の弁護士が本当に、色々な意味でいい性格です。
なので、読んだ後に気分が沈むということはないでしょう。
周りに子供がいるのであれば、
はっきりと意味はわからなくても雰囲気だけでも
伝えるために読ませてみるのもいいと思います。
総括すると、この漫画は今の時代ならではの作品です。
ネット社会の落とし穴にはまらないためにも、
お勧めの作品になっています。
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ではでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました。