【不滅のあなたへ】感想　１巻～2巻

どうも、ズル猫です。
今回の評価＆感想を書かせてもらう作品は『不滅のあなたへ』の１～２巻です。

不滅のあなたへとは？

不死身の主人公が様々な人間と出会い、感情を得て成長する話です。

巻数：6巻　連載中
掲載雑誌：週刊少年マガジン
掲載時期：2016年～
作者：大今良時
作者の他代表作
　聲の形

聲の形も話題になりましたが、続けて、この作品も話題なのではないでしょうか。
この漫画がすごい2018でオトコ編で3位に輝いています。

主人公はある人物が作り出した存在で、どんなものにも変化できますが、
生まれたばかりなので感情すら持っていません。
そして、死の概念すらない状態です。
変化した肉体が生命の活動を停止しても、すぐに復活します。
不死身という点でいうと、
「無限の住人」よりも「亜人」に似た不死身ですね。

まだ聲の形は読んではいないのですが、
この『不滅のあなたへ』では、キャラの心理描写が上手いと思いました。
最初、主人公は感情がないのですが、
感情を理解できないという描写を台詞を使わずに描いています。
また、主人公を取り巻くキャラクターたちの心理描写も
とても丁寧に描かれています。

主人公は人と出会い、別れることでどんどんと感情を学習していきます。
ある人と出会い、一緒にいることで新しい感情が生まれ、
別れを得て、大きく成長していきます。
つまりは最後には別れがあるという流れで構成された物語になります。

ストーリーを進める為には、別れは唐突に訪れることになります。
ずっと、出会った人物と一緒では、大きな成長が得られません。

ストーリーの流れとして、ずっと同じ人物と一緒にいることで
お互いが成長していくという物語形式もありますが、
（寄生獣とかが、そのタイプですね）
今回の話は、そうではなく、次々と出会いと別れを繰り返すストーリーになっています。

急な別れは、悲しい結末になることが多いので、
読んだ後、ちょっと気分が落ち込むかもしれません。

ですが、主人公の成長に繋がるので、悲しいですが救いがないわけではありません。
「ウシジマくん」よりは、読んだ後に気分が沈むことはないですね。。

2巻までは、主人公である「ふし」と関わる人間が主要として動きますが、
3巻からは主人公にも感情が生まれ、動き出していく形となるのでしょう。

これは本当に、個人的な意見ですが見ていて、つい応援したくなるキャラが出てきます。
マーチというキャラなのですが、本当に可愛いです。
無邪気で、夢があり、自分を犠牲にしても家族を守りたいという意思があります。
ですが、ちゃんと子供らしく、大人になりたいという欲も持ち合わせています。

本当に、こういう無邪気なキャラはズルいです。
「よつばと」のよつばほど、突き抜けたキャラではないですが、
リアルな子供という感じがして、見ていてほっこりしてしまいます。

あの子には……幸せになって……ほしかったですね。。。

新しい不死身キャラの使い方をし、
また、不死身といえばついバトルの方に寄りがちなのを
ヒューマンドラマ側に持っていくというのは新しいですね。

また、心理描写やストーリーの展開も丁寧に描かれています。
最初は主人公に目的がないのですが、
周りのキャラに強い目的があるので、ストーリーもグイグイと前に進んでいきます。
ページをめくる手が止まりません。

独特の雰囲気もありますので、まだ読んでいないのであれば、おすすめです。

ストーリー：☆☆☆
キャラクター：☆☆☆☆
伏線：☆
心理描写：☆☆☆☆☆