ついに来ました、よつばと15巻。
さっそく読んでみました。
ネタバレ有りなので、ご注意ください。
今回もよつばとは、優しい世界です。
どのキャラも悪意が無いので、読んでいてほっこりします。
子供の言うことを聞き流すのではなく、否定せずしっかりと正面から向き合い、反応を返していきます。
子供たちも大人たちに対して、不信感もなく聞き入れ、それでも理不尽だと思ったことは素直に口にしていきます。
その子供の意見に、四苦八苦しながらもちゃんと答えていく大人たちを見ていてもとても面白いです。
よつばとは日常系というジャンルですが、どちらかというと童話というような優しさに溢れた作品です。
よつばのとーちゃんは、本当に理想的な父親ではないでしょうか。
よつばが間違ったことをしても、怒るのではなくちゃんと教える、導くということをしています。
普通はやってはいけないことを子供がすると、ただ怒って終わりです。
「ダメだって言っただろ!」と。
ですが、とーちゃんは「なぜダメなのか?」というのを説明するだけではなく、ちゃんとよつばに考えさせます。
そうすることで、よつばは何がダメだったのかを納得して反省するので、同じようなことは繰り返さないんですね。
本当によつばとは子供だけではなく、お父さん、お母さんにも読んでいただきたい漫画です。
手塚治虫文化賞や文化庁メディア芸術祭漫画部門優秀賞を獲るのも頷けます。
また、よつばとは1話完結のお話なので、前の巻を読んでなくても問題なく読めるというのも、いいですね。
あれ?この前の巻、読んだかな?となりません。
では15巻の内容について。
まずは「くつした」
これはコタツを出そうという話です。
本当に何気ないことですが、それを漫画に出来るのが凄いです。
しかも面白い、というのもやっぱりすごいです。
よつばやとーちゃんのキャラが魅力的なので、日常を描くだけでも本当に面白いです。
やりとりが秀逸ですね。
次は「バナナジュース」
ミキサーを買う話です。
確かにミキサーって買っても、5回くらい使って終わりですよね。
そして、洗うのが面倒くさい。すごく共感できます。
あと、やんだとよつばのやり取りが面白いですよね。
よつばはやんだが嫌いみたいな感じですが、凄く仲がいいように見えます。
よつばの世界の大人たちは、よつばを「子供の言うこと」と無視したり適当に答えたりしません。
やんだもちゃんとよつばを一人の人間として見ていて、子供の言うことでも納得すれば素直に認めます。
大人はこうでありたいと思いますが、なかなか難しいですよね。
次は「いし」です。
石を拾いに行くという話です。
子供目線で、石にも色々あり、珍しい石は宝石のように価値があるとして、真剣に石を拾う姿を見ると、大人でも石拾いしたくなります。
私的な名言としては、とーちゃんが石拾いが楽しいと気づいた時に
「知らなかったの!? いいとしして」と言います。
それに対してとーちゃんは「ほんとになー」と納得します。
割とこの返しは出来ないのではないでしょうか。
うるさいな、とか誤魔化してしまいますよね。
認めるところはしっかりと認める、いい大人です。
次は「しけんべんきょう」です。
風香たちが勉強しながらお菓子を食べるのを見て、よつばがお菓子を食べたくて、勉強に参加するという話です。
結局は、風香たちはよつばと遊んで終わってしまうのですが、実際、現実でもそうなるでしょうね。
私的な名言は、風香がイルカの絵を描いて、それを見たよつばが
「いるかのしっぽはたてとちがうので いるかはいない」と答えるところです。
これ、わかります。子供って、大人が知らないような知識を知っていたりしますよね。
興味があることは本当に凄い勢いで吸収していきますからね。
次は「えのぐ」
これも絵具を買いに行って、絵を描くというお話です。
この話の見どころは、よつばの土下座とお願いですかね。
可愛いです!
次は「ほん」です
これは本を作るという話です。
子供ならではの自由なお話を描くよつばですが、自由ならではの面白さがあります。
きっとこういう子供が後々、漫画家になっていったりするんでしょうね。
最後は「らんどせる」です。
ランドセルを買いに行くという話ですが、よつばとの世界ではちゃんと時間が進んでます。
もうすぐよつばも小学生になるということで、ランドセルを買いに行きます。
……話は逸れますが、よつばが小学生になって終わりになりそうで、怖いです。
本当に怖いです。
小学生になったよつばも見たいですが、それでも今の雰囲気とはガラッと変わってしまうと思うので、小学生になって終わりかなと。。
話を戻します。
今どきのランドセルは色々あるということで、驚きますよね。
昔は黒と赤しかなかったんですがね。。
今は、色々な色のランドセルを見かけますよね。
そして、何よりこの話の見どころはとーちゃんがよつばの成長を目の当たりにして、ウルっと来るところです。
私も読んでいて、ウルっとしました。
同じような子供がいる人は、かなり感極まるのではないでしょうか。
上でも書きましたがよつばとは前の巻を読んでいなくても、気にせず読めるのでもし久しぶりに読むか、となったら15巻を読んでみてはいかがでしょうか。
とーちゃんがウルっとするシーンは是非、読んで欲しいです。