今回はアニメ化にもなったダイヤのエースの感想になります。
ダイヤのエースは弱小の野球部のピッチャーだった沢村栄純が、名門高校にスカウトされてその学校で甲子園を目指すというストーリーになります。
野球漫画と言えば、タッチやメジャー、ドカベンなどなど、挙げれば際限なく出てきます。
そんな中で、このダイヤのエースの特徴といえば、「最初からエースではない」というところでしょうか。
野球漫画の主人公はピッチャーであることが多いです。
それもそのはず、ピッチャーは「マウンドに立って、常に投げるポジション」だからでしょう。
バッターの場合は1回バッターボックスに立ったら、あと8回分の打席を待たなければならないので、漫画として盛り上げるのは大変だからでしょう。
もちろん、ダイヤのエースの主人公もピッチャーなのですが、他の野球漫画と違うのは主人公の沢村が最初はそこまで凄くないというところです。
ほとんどの野球漫画の主人公は大体は、「最初から凄いピッチャー」ということが多いです。
そのため、弱小高校で、チームメイトにはあまり恵まれていない中で、勝ち進むというのがセオリーなのではないでしょうか。
ですが、ダイヤのエースは全くの逆です。
名門校に、才能の原石としてスカウトされてやってきたため、エースではないのです。
最初はなんとかベンチに入れるかどうかくらいです。
なので、ダイヤのエースは沢村が主人公ではありますが、「青道高校野球部」自体に感情移入して読む漫画になります。
また、珍しいのは監督のキャラクターに関しても読者の人気を集めようとして描かれているところですかね。
ダイヤのエースを読んでいると、監督も変わってほしくないという感情になってきます。
この監督の元、青道野球部が勝ち進んでいくのを楽しむという内容になっています。
このようになかなか珍しいタイプの野球漫画ですが受け付けない人は受け付けないでしょう。
おそらく、賛否両論というか好き嫌いが分かれる作品かなと思います。
その理由も書いておきます。
まず、「主人公が投げることが少ない」ので、危機感がないというのがあります。
青道野球部全体が主人公という構成ではありますが、やっぱり主人公の沢村の活躍が見たいというのが読者の想いです。
ですが、「エースではない」ので、マウンドに立てることが少ないです。
下手をすると3巻以上、マウンドに立ってないこともあるのではないでしょうか。
なので、主人公がぐいぐい物語を引っ張っていく漫画が好きな人は合わないかもしれません。
次に、沢村があまり凄くないというのがあります。
もちろん、成長していくというのがあるのですが、こういう主人公には突出した武器というものがあります。
大体は「球速が速い」つまり剛速球の持ち主ということが多いですね。
そして、そういう選手は得てして、コントロールが悪いか、変化球がない、なんていう弱点があるという形で作られています。
ですが、この作品の沢村は「投球フォームにより、タイミングが取りづらい」という武器です。
ちょっと、地味ですね。
そして、ライバルの投手が剛速球の持ち主で、実質エースという立場です。
やっぱり、王道とはいえ、剛速球で三振をとるというのが派手で見た目的には栄えます。
なので、そういう、派手な絵が好きな人の場合は物足りないかもしれません。
最後に、主人公以外に凄い投手がいるわけですから、「危機感がない」というのもあります。
たとえ、主人公が打ち込まれても、「交代すればいい」ということがあるので、どうしても危機感というのは薄れてしまいます。
以上が、合わないかもしれないという点になります。
ですが、逆にリアルな高校野球、つまりチームとして一丸となって戦うという展開が好きな人であれば、絶対にハマると思います。
野球漫画が好きで、チーム一丸となって甲子園を目指すという展開が好きな方は是非、読んでみてください。