今回は「亜人ちゃんは語りたい」のスピンオフのような作品である「オカルトちゃんは語れない」の感想を書いていきたいと思います。
オカルトちゃんは語れないは、亜人ちゃんは語りたいと同様にお勧めです。
ただ、作品の雰囲気は全く違います。
亜人ちゃんは語りたいはほのぼの日常系といったところですが、オカルトちゃんは語れないはややホラーチックな謎解きのお話です。
世界観は亜人ちゃんは語りたいと同じ世界での話なのですが、主人公は亜人ちゃんは語りたちの主人公の姪っ子である、大学生の陽子です。
他の人には見えない、座敷童の亜人と一緒に暮らしているのですが、どうやら陽子自体も、様々なものが見える能力を持っているということで、色々な亜人と関わっていくことになります。
亜人ちゃんは語りたいよりも、多くの亜人が登場し、その亜人による巻き起こる事件を、伝承を辿って解決していくという物語です。
なので、亜人ちゃんは語りたいのように「可愛い女の子」を見たいと思って読むと肩透かしをくらうかもしれません。
まあ、表紙を見る時点で、そんな話ではないとはわかるとは思いますが。。。
亜人ちゃんは語りたいでも思ったのですが、本当に伝承について物凄く調べているなと感じるほど、妖怪について詳しいですし、何より面白いのがそれを「科学」と組み合わせて、現象を説明しているところでしょうか。
その説明を読んでいると、思わず、なるほどと納得してしまうほどです。
ただ、話の構成上、仕方ないのですが少し「うんちく」が多いです。
そのうんちくも、全部読まないと話が通じないというわけではありません。
主人公の陽子みたく、やや読み飛ばしながらも雰囲気で、なんか解決したと思ってもらっても大丈夫です。
もちろん、亜人による事件の謎解きがこの作品の売りの一つではありますが、なにより、陽子の「亜人を助けたい」という熱い心と、様々な亜人のキャラクターの心情が深く描かれた作品でもあるので、そういう内面的な部分だけでも十分楽しめます。
亜人という、特殊な能力を持ってしまっていても、基本は人間で、人間らしい悩みをもち、それが亜人の能力と絡み合ってさらに深い悩みになっていくという、ヒューマンドラマもこの作品の売りでしょう。
亜人ちゃんは語りたいとは別軸の、キャラの魅力がこの作品にはあります。
亜人ちゃんは語りたいの世界観が面白いと思うのであれば、この作品も面白く読めると思います。
是非、興味があれば読んでみてください。